米FRB、利下げ先送り示唆の見通し-6会合連続で金利据え置きへ
(ブルームバーグ): 米金融当局は予想を上回るインフレ統計が続いたのを受け、主要政策金利を6会合連続で据え置くとともに、近い将来の利下げの計画はないとのシグナルを発する構えだ。
連邦公開市場委員会(FOMC)は1日まで2日間の日程で開く会合で、昨年7月に5.25-5.5%と、二十数年ぶりの高水準に引き上げたフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを維持する決定を下す見通し。
米東部時間1日午後2時(日本時間2日午前3時)に金利に関する決定の発表と、恐らくバランスシート圧縮プログラムのペース減速に巡る発表があり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が2時半から記者会見する。
米金融当局者は、健全な経済にとって適切と考える2%の物価目標にインフレ率が近づいていると確信できるようになるまで、利下げ開始に消極的だ。当局者は3月の時点で年内3回の利下げ予想を示していたが、パウエル議長はこうした計画が保留状態にあり、物価情勢の改善次第であると示唆する公算が大きい。
パウエル議長のタカ派転換始まったばかり-6万件のヘッドライン示す
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米経済担当責任者、マイケル・ゲーペン氏は「静観するとともに、政策が作用するにはさらに時間がかかるというメッセージになるだろう」と指摘。「根強いインフレへの答えは現在の地点により長くとどまるということだ」と語った。
今回の会合後の声明と記者会見のトーンは、パウエル議長が4月16日のパネル討論会で既に示唆済みと言えるかもしれない。議長はその中で、金利をより長くより高く据え置く可能性があり、金融当局として「必要な限り」景気抑制的な政策を維持すると述べていた。
アナ・ウォン氏らブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミストは、「4月30日-5月1日の会合では、パウエル議長のタカ派転換が見込まれる。少なくとも議長はFOMC参加者の現在の予想中央値として、年内の利下げ回数が減っていると示唆する可能性がある」とコメントした。