通知書を見て落ち込んでいます。「国民健康保険料」が年の途中で上がることってあるのでしょうか?間違いでしょうか?
毎年6月頃に、市町村から送られてくる国民健康保険(税)の通知書。見てみると、年の途中から保険料(税)が上がっていてびっくりすることがあります。 これは何かの間違いではないか、と動揺したり、憤慨したりする方もいらっしゃると思いますが、それには正当な理由がある場合がほとんどです。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説 そこで本記事では、国民健康保険料(税)が上がるよくある理由について解説します。
国民健康保険料(税)に関するよくある誤解
私たちが支払う国民健康保険料(税)がどのように決まるのか、について、筆者はたとえばこんな誤解を耳にします。 「今年は働いていないから、保険料はほとんどかからないはず」 国民健康保険料(税)は、その年の収入ではなく、前年の所得(会社員の場合、給与から一定の控除額を引いた額)によって決まります。たとえば、前年は会社勤務だった方が今年は無職になった場合、給与収入はない一方、多額の健康保険料(税)が請求される可能性があります。 「去年は病院にほとんどかかっていないから、保険料が上がるはずはない」 被保険者個人が支払う国民健康保険料(税)は、その方がどれだけ病院で治療費がかかったか、で変わるわけではありません(ただし、被保険者全体の医療費総額によっては変わります)。 「前年から家族構成は何も変わっていないから、毎月の保険料は同じになるはず」 家族構成が変わらなくても、保険料が変わる場合があるので、注意が必要です。具体例は後述します。 このような多くの誤解がある保険料(税)ですが、その仕組みを理解しておけば、年の途中で保険料が変わっても、その理由を理解できます。 では、次に国民健康保険料が上がる主な例を見てみましょう。
10月に国民健康保険料が上がったケース
国民年金保険料(税)が年金から特別徴収※されている方に届いた税額決定通知書を見ると、10月からの保険料が上がっていることがあります。 ※特別徴収とは、世帯主が国民健康保険料(税)を口座振替や納付書により納付する(普通徴収)のではなく、世帯主が受給している公的年金から、国民健康保険料(税)をあらかじめ差し引いて納付する仕組みです(※1)。