「最近セルフレジ増えたなぁ…」身の回りの変化に留まらない、AI時代に本当に必要とされる戦略的学習力
「戦略的学習力(ラーニングストラテジー)」とは、新しいことを学ぶ際に、状況に応じて効果的な学習方法を選び、計画的に実践できるスキルのこと。英国オックスフォード大学機械学習教授のマイケル・オズボーン氏が、2017年に発表した論文の中で提唱された概念です。ビジネス環境が急速に変化する中で、今持ち合わせているスキルが20年後も需要があるとは限りません。未来を見据え、何を学ぶべきかを戦略的に学習することが求められているのです。
2030年に必要とされるスキル No.1 AI時代に身につけたい「賢く学ぶ力」
2017年、オズボーン教授は「未来のスキル」という論文を発表しました。その論文の中で、2030年に「必要とされなくなるスキル」と「必要とされるスキル」がランキング形式で公表されました。 必要とされなくなるスキルのワースト3は「操作の正確さ」「手作業のすばやさ」「レート制御」でした。AIの発展により、正確性やスピードなどコンピューターが代替できるスキルの価値は相対的に下がります。すでに身の回りでも変化の兆しがあるのではないでしょうか。スーパーやコンビニではセルフレジが増え、電話オペレーターの代わりにチャットボットが顧客対応をすることが増えています。 一方、必要とされるスキルのトップ3は「戦略的学習力」「心理学」「指導力」でした。未知のウイルスや有事の発生により、ビジネス環境は大きく変化し、技術も年々進歩しています。「AIが労働市場を変える」と以前から言われてきましたが、2023年に起きた「生成AI」の爆発的な広がりは、その未来の一端を表しているようでした。激動の時代を生き抜くためには、変化に応じて必要なスキルと必要とされなくなるスキルを見極め、戦略的に学んでいく力――すなわち「戦略的学習力」が必要なのです。