大学教授の年収はどれくらい? なるためにはどのような手順を踏めばよいの?
大学教授は、教育者としての使命感や研究者としての探求心を持つ教育と研究の専門職として、多くの人々にとって憧れの職業です。その道のりは決して容易ではなく、多くの努力と経験を要します。 では、どのようにしてその職に就くことができるのでしょうか。また、大学教授の年収についても気になるところです。今回は、大学教授の平均年収と、教授になるための具体的な手順について紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
大学教授の平均年収
大学教授の平均月収と平均賞与、平均年収を男女別に表1にまとめました。
表は日本労働組合総合連合会「2022年賃金構造基本統計調査特別集計にもとづく職種別賃金の研究」を基に筆者が作成 国税庁の「令和4年民間給与実態統計調査」によると、日本の会社員の平均給与は458万円です。大学教授の年収は男性「1098万円」、女性「1008万円」と男女ともに、日本の会社員の平均年収より2倍以上高いことがわかりました。 ただし、大学教授の年収は、勤務先の大学や経験年数によって大きく異なります。そのため、この平均額はあくまで目安程度にお考えください。
大学教授になるための手順
大学教授になるためには、高い学歴が必要です。その後も、研究実績や教育経験を積み重ねることが重要となってきます。ここでは、大学教授になるための一般的な手順をみていきましょう。 ■1.学歴の取得 ・学士号 まず、大学を卒業し、「学士号」を取得する必要があります。専攻は、自分が将来教授として教えたい分野に関連するものを選びましょう。学士課程では、基礎的な知識とスキルを身につけます。 ・修士号もしくは博士号 学士号を取得した後は大学院へ入学します。大学院の課程は、運営母体によって異なりますが、一般的には計5年間です。最初の2年間で「修士号」を取得し、さらに3年間の研究を経て、その成果をまとめた博士論文が合格すれば「博士号」を取得できます。 大学教授は、小学校・中学校・高校の教師のように教員免許などの国家資格が必須ではありません。その代わり、大学教員として採用される際には、博士号の取得が重要な要件となることが多いです。 博士号は、特定の分野における高度な研究能力を証明するものであり、多くの大学教授という職業に就くための必須条件とされています。 ■2.助教としての経験を積む 博士号取得後、まず教員として大学に採用される形は助教が一般的です。助教は、講義の準備や実施を補佐し、学生の学習サポート、研究プロジェクトの進行や実験の実施、データの分析など、教授や准教授がやることをサポートする役割を担います。 また、この段階で、自身の研究活動を継続して、論文を発表し続けるなど、地道に経験を積んでいかなければなりません。 大学教員の平均年収は男性「486万円」女性「462万円」です。また、大学講師の平均年収は男性「695万円」女性「629万円」となっています。ただし、あくまで平均年収なので参考程度にお考え下さい。 ■3.准教授・教授の順に昇進 助教として実績が評価されることで、准教授へ昇進します。准教授は任期がない専任の教員です。大学運営やリーダーとして授業を担当し、約10年後に実績や評価などを踏まえて教授に昇進します。 教授になった後も、多岐にわたる責任と役割を担わなければなりません。さらなる昇進や大学運営への関与、国際的な研究活動など、様々な道が開かれていきます。大学准教授の平均年収は男性「876万円」女性「819万円」です。