元日本代表の異例キャリア…史上初の大役、ともに戦った選手の肩を叩くのは「一番つらい」【インタビュー】
元日本代表MF細貝萌の半生、社長代行兼GMという驚きのセカンドキャリア
2024シーズン限りで現役を引退したザスパ群馬の元日本代表MF細貝萌は、クラブ経営のトップである社長代行と、強化部門のトップであるゼネラルマネジャー(GM、強化責任者)の兼務へ転身する驚きのセカンドキャリアをスタートすることになった。その未来に向け、「中央にある1本のどっしりした柱を構えられることを大事にしたい」とビジョンを語る。(取材・文=轡田哲朗/全6回の6回目) 【写真】日本代表が交際宣言した元トップアイドル 「色気がすごーい」最新ショット ◇ ◇ ◇ 日本代表で30試合に出場し、国内では浦和レッズや柏レイソル、ドイツ、トルコ、タイでのプレーも経験した細貝が、地元クラブでもある群馬に加入したのは2021年の9月だった。条件面などには目もくれずにキャリアの最後を過ごす場所として選んだが、38歳になった今季で引退を決断する。 「そろそろなのかなと思っていたし、家族ともそういう話をしていた。正式には10月に入ったくらいにチームと今後を話し引退の方向でと伝える中で、そういう話をもらった」というセカンドキャリアこそ、社長代行とGMの兼務という選手を終えた直後としてだけでない大きな立場へのオファーだった。 「即答というわけではなかったけど、すごくポジティブだった。そのような立場をそのまま与えてもらえるのは簡単なことではないし、重要な場所で考えてもらっている。間違いなく自分にもプラスになる。クラブも苦戦していて難しいからこそ、自分がやることでより群馬が一体となってクラブをいい方向に導くと考えれば、自分がやる意味はある」 もとより指導者の道へ進む計画はなく、「経営に関するような本を読むのも好きで読んでいたけど、そのために準備していたわけではない」という状態で、いきなり大きな立場になった。「先を見るなら、まずは会社の現状を把握しないといけないし、クラブの内部、クラブとスポンサー様など周りとの関係もそう。今まさにシーズンが終わって時間が経っていない中で、状況の把握に時間を使っている」というスタートになった。 経営のトップと強化のトップを兼務することについて「本来なら各クラブを見ても、GMにしっかりした人がいて、社長にしっかりした人がいるというのが普通の体制。その2つを1人でやるので、時間に関してもやれることをやらないといけないと思っている。強化部長がいるのでメインで動いてもらいながら、しっかり連動して、数字に関しても予算をどこにいくら使うも含めて話をしている」と、難しさも実感している。 それでも、「クラブの規模も大きくしたいし、大きくなるようにできることをやっていく。選手だった僕がやったことが良いこともたくさんあるでしょうし、去年は全く違う立場だったので比較もできない。分からないことはしっかり聞きながら、間違いなく近くにいてくれる方の存在が大事なので、一緒に働く方との関係性も大事にしながら前進したい」と未来に目を向けている。