ビットコインとイーサリアム、重要なテクニカルレベルに直面──日米のマクロ要因も市場に影響
イーサリアム(ETH)は過去24時間で2.5%上昇し、2430ドル前後で取引されている。さらに重要なのは、時価総額第2位のETHが、200週単純移動平均(SMA)の2298ドルで重要なサポートを見つけたことだ。 200週SMAは、長期的な勢いを測るために広く使用されている指標だ。資産価格がこの指標を上回れば、一般的に上昇トレンドにあると見なされ、その逆も同様だ。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が50ベーシスポイントの利下げを決定し、政策金利を4.75%から5.00%に設定したことを受けて、上昇傾向が強まっている。 イーサリアムは、このサポートラインで何度も跳ね返っている。8月5日に幅広い市場が円キャリートレードの巻き戻しによる売りを経験した際にも跳ね返っている。そして9月の大半にわたって維持されている。 一方、ビットコイン(BTC)は6万2000ドル前後で取引され、3月の史上最高値以来、初めての高値更新となり、建設的な価格動向を示した。 強気相場をさらに押し進めるには、ビットコインは6万5000ドルの抵抗線を突破して高値を更新し、上昇の勢いを継続する必要がある。 ビットコインはまた、短期保有者(STH)実現価格の6万1998ドルへの回復も試みている。実現価格は供給量全体の平均的なオンチェーン取得コストを表し、STH実現価格は最も使用される可能性が高い過去155日間に移動されたコインの平均コストを指す。 過去6カ月間、ビットコインはこの水準を維持することに苦戦している。STH実現価格を上回る動きが持続すれば、強気相場の継続がより強固になることを示唆するだろう。 今後、マクロ経済要因がビットコインとイーサリアムの価格にさらに影響を与える可能性がある。9月20日には日本のインフレ率データが発表される予定であり、Trading Economicsによると、総合およびコアインフレ率は前年比でやや上昇する見通しだ。 さらに、日本銀行は金利を発表する予定であり、市場では0.25%の据え置きが予想されている。これらのイベントは、特に世界的な金融政策が暗号資産を含むリスク資産への投資家の心理に影響を与え続けていることから、暗号資産市場にボラティリティをもたらす可能性がある。 円安はビットコインにとって強気材料となるが、円高はビットコインにとって弱気材料となる。一方、香港金融管理局(HKMA)は9月19日、FRBの利下げに追随し、基準金利を50ベーシスポイント引き下げ、5.25%とした。香港の通貨政策は米ドルにペッグされているため、アメリカの政策を反映する傾向がある。 ファーサイド(Farside)のデータによると、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)は9月11日以来初めての流出を経験し、流出総額は5270万ドル(約73億7800万円)に達した。流出元は、アーク(Ark)のARKBが4340万ドル(約60億7600万円)、グレイスケール(Grayscale)のGBTCが810万ドル(約11億3400万円)、ビットワイズ(Bitwise)のBITBが390万ドル(約5億4600万円)だった。ビットコイン現物ETFへの流入総額は現在、174億ドル(約2兆4360億円)となっている。 ビットコインとイーサリアムが重要なテクニカル指標と格闘する中、特に日本とアメリカにおけるより広範なマクロ経済状況が、今後数日間の価格変動を形作る上で重要な役割を果たす可能性がある。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Ether Rebounds Off Key Support Signals Long Term Bullishness
CoinDesk Japan 編集部