コロナ禍の前は24時間営業だった『J’s STORE』。現在は多少短くなったものの、それでも朝10時から翌朝6時まで通しで営業！　メニューはどの時間も変わらず、夜中でもガッツリ食事を楽しめる。

土井　ただ単に辛いとか甘いというわけではなく、辛味や酸味、甘味、塩味などのいくつかの味が複雑に絡み合って調和された料理ばかりですね。次々にいろんな味を感じられるので、どんどん箸が進んじゃいます。8歳の頃から、いつかは自分のお店を持ちたいという願望はあったのですか？

『J’s Cafe & Restaurant』のテラス席。現地のリアルな空気を感じる1号店の賑やかさとは違い、落ち着いて食事ができる穏やかな空間。

ホムスワン　そうですね。だから、今こうして2つもお店をできて幸せです。この『J’s Cafe & Restaurant』が2号店で、歩いて1分の場所にある『J’s STORE』が1号店。コックを辞めた後にオープンしたので、もう20年ほど経つかな。最初は15平米くらいの小さなスペースで、食品販売からスタートしたんですけどね、今の場所に移転して料理を振る舞えるようになって、お客さんも徐々に増えていきました。2号店は、1号店が混んでる時の予備席みたいな感じで、5年前から始めました。

土井さんからのコメント「タイ料理はすごく辛い印象でしたが、こちらのお料理はあま、から、すっぱが上手く調和しています。そしてお母さんの愛情たっぷりのお料理に、現地の人たちが集うのも分かります。」。

土井　近くに住んでいるタイ人の方々もよく食べに来られるんですか？

ホムスワン　はい。近隣のタイ人とはみんな知り合いですし、メニューにはないタイの家庭料理を配達することも多いですよ。本場の味が分かるタイ人がお客さんに多い分、本格的な味や食材を求められるので、3ヶ月に一度はタイに帰って、香辛料や野菜やフルーツなどの買い出しをしています。ちょっとでも違うと、あれ？　って言われちゃうから（笑）。私のお店は、母国の味をいつでも食べられる、在日タイ人にとっての第二のホームであり続けたいなって。

土井　たしかに、お店のことを教えてくれた私のタイ人のお友達も「本場の味だ」と絶賛していました！　同郷の方々の存在が、料理をより一層美味しくしてくれるのですね。

インフォメーション

J’s Cafe & Restaurant ◯神奈川県横浜市中区若葉町2-24-6　☎︎045・315・7298　10:00～21:00　水・木休 interview: Hikaru Doi, photo: Kazuharu Igarashi, text: Shoko Yoshida