夏県16強・叡明に頼もしいエースが帰ってきた!エース・田口が17奪三振の完封劇で代表決定戦進出!【24年秋・埼玉地区予選】
越谷市民球場の第1試合は、エースの新妻以外、スタメン8人が1年生ながら地区予選前の秋の新人戦で東部地区ベスト4へ進出し秋の地区シードを獲得した開智未来と新人戦初戦で春日部共栄に敗れ地区ノーシードで秋を迎えることとなった今夏ベスト16・叡明の一戦だ。 【動画】批判も糧に挑戦続ける33歳の青年監督。今春からは異例のチャレンジへ... この試合は叡明のエース・田口遼平(2年)の快投が光った試合となった。田口は1年夏時点で上尾打線を封じるなど、MAX137kmのホップ成分が大きい直球を武器にショートと投手を兼任する登板経験が豊富でオースドックスな右腕だ。 叡明は初回、開智未来・新妻慎太郎(2年)の立ち上がりを攻め立て、先頭の根本和真(2年)がレフト前へポトリと落ちるヒットを放ち出塁すると、その後一死二塁とし、3番・青木柚吾(1年)の所で相手のワイルドピッチにより二走・根本は三塁へと進む。青木は三振に倒れるが、その際キャッチャーの一塁送球の間に三走・根本が本塁生還し先制。二死後、続く笘大悟(2年)が四球で出塁し再度チャンスメイクすると、5番・田口も四球を選び二死一、二塁とする。ここで6番・高野歩(2年)がライト線へタイムリーを放ち2点目。さらにライトがジャックルする間に二死二、三塁とすると、7番・宇野龍輝(2年)のセカンドゴロが相手のタイムリーエラーを誘い、叡明が幸先良く3点を先制する。 投げては叡明の先発・田口が初回からフルスロットル。この日走っていた直球を中心に組み立て、2回から3回にかけては六者連続三振を奪うなど開智未来打線から三振の山を築く。 一方の開智未来・新妻も2回以降立ち直り、持ち味である変化球を巧みに操り、叡明打線を封じていく。新妻は結局、5回被安打3、3失点とまとめると、6回から1年生右腕・寺内斗冴がマウンドへ上がる。この継投は新人戦の昌平戦と同様の継投だ。寺内はエース新妻と対照的に伸びのある直球が武器。 代わり端こそ、先頭の宇野にレフト前ヒットを浴びるが、8番・林舜朔(2年)、9番・山口稜久(2年)が連続で試みた送りバントに対し、寺内の好フィールディングで二塁封殺するとその後はノーヒットに抑え、8回は三者三振に切って取るなど無失点で切り抜ける。 だが、この日は叡明のエース田口が立ちはだかった。開智未来打線を最後まで寄せ付けず被安打3、毎回の17奪三振を奪い完封する。結局、叡明が初回の3得点を守り切り初戦を突破した。 叡明、この日は決して磐石の試合運びとは言えない。とにかくエース田口の好投に尽きる。先日の新人戦・春日部共栄戦は田口が指の怪我で登板できず敗れたが、地区予選で復活できたのは大きかった。 「今日は真っ直ぐの走りが良くて、コースも高さも全部良かった。新チームは経験がない選手が多いので勝ち進んで試合勘を養っていかなければ」(田口)と、エースは復調をアピールするも課題も口にした。エースが投げれば失点が計算でき落ち着いた試合運びができる。それだけに課題はとにかく打線だ。 「うちがボールを見過ぎちゃって振ればいいのに。田口以外はガラッと変わったので現状はしょうがないかなと。田口がいるっていうのは武器になるので、あとは打線がチャンスを物にできるかが鍵」(中村監督)と、次戦へ向け課題は明確だ。