不動産のプロが断言! 中古マンションの内見で“絶対に”見るべきポイント
ホームインスペクターを利用して、建物のセカンドオピニオン!
では、お部屋の中でチェックすべきポイントはありますか? 長嶋「中古物件でまだ居住中の場合、チェックするのが難しいですよね。中に通してもらったとしても、クローゼットだったり、洗面化粧台の下だったりを荷物がある中でくまなく覗くのは気がはばかれる。そういうときは、ホームインスペクターとか住宅診断士を活用することをおすすめします。彼らは仕事なので、くまなく見てくれます。 あと、気をつけていただきたいのが、最近多いリフォームやリノベーション済み物件。表面的にはきれいなので見るところがないように思いますが、見えていない上下水道の配管や電気配線、ネット回線などの状態もチェックすべきポイントです。 床下に水漏れしていることに気づかず、リフォーム済みの物件を購入して半年後に、トイレの便器の脇からキノコが生えてきた、なんていう事例もあるぐらい(笑)。リフォーム済みの物件には契約不適合責任(瑕疵担保責任)があるので保険がつきますが、水漏れは保証の範囲外になるので注意が必要です。 上下水道の配管や電気配線などは、大体30年くらいが替え時の目安。替えていない築40年以上の物件は、今大丈夫だったとしても、いつ水漏れしれもおかしくないと心得ておいてください」 大西「見えない部分の配管や配線については、売主さんも気づいていらっしゃらず、隠すつもりもなかったということもあります。ですから、先ほども話にあった、ホームインスペクターや住宅診断士を利用して、プロの目でその住宅をくまなく調べてもらうのが安心かと思いますね。建物のセカンドオピニオンのようなサービスです」 【講師】長嶋 修(ながしま おさむ) 不動産コンサルタント/さくら事務所会長。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立。2008年、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会設立し理事長に就任。2018年、一般社団法人地域微動探査協会理事に就任。様々な活動を通して『中立な不動産コンサルタント』としての地位を確立。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。新著に『バブル再び 日経平均株価が4万円を超える日』(小学館新書)他、著書・メディア出演多数。 【講師】大西倫加(おおにし のりか) 不動産コンサルタント会社、さくら事務所代表取締役。大学卒業後、事業構想大学院で大学事業構想を学ぶ。広告・マーケティング会社などを経て、2004年さくら事務所参画。マーケティングPR、取締役を経て、2013年1月に代表取締役就任。2018年、らくだ不動産株式会社設立。代表取締役社長就任。2021年、だいち災害リスク研究所設立。副所長就任。不動産・建築業界を専門とするPRコンサルティング、書籍企画・ライティングなども行っており、執筆協力・出版や講演多数。