侍ジャパンが強化試合で露呈した4つの不安!
2つ目の不安も投手陣に関するもので、ストッパーの不在問題だ。 今回は、秋吉亮(ヤクルト)が公式球への対応力をアピールしたが、山崎康晃(横浜DeNA)は3試合で3失点、防御率11.57と不安を残した。メジャーの上原浩治(前レッドソックス)が参加できるなら文句なしで決まりだろうが、現段階では白紙。候補としては、沢村拓一(巨人)、中崎翔太(広島)、平野佳寿(オリックス)、松井裕樹(楽天)がいるが、いずれも不安要素を抱える。 「WBCは球数制限があるため、先発と第二先発の組み合わせになるから、勝利の方程式は必要ではありませんが、ストッパーは重要です。誰を選ぶかは、監督、首脳陣の好みの問題になりますが、ストッパーの専門家に適任者がいないなら、私は、則本の抜擢を推します」 里崎氏は、プレミア12では結果的に失敗したが、ボールの強さと国際試合で通用する落差のあるスライダーを持つ則本昂大(楽天)の名前を候補の一人として挙げた。 3つ目の課題は、チーム内の侍ルールの不徹底である。 里崎氏が問題視したのは、13日のオランダ戦でのセーフティスクイズの失敗の場面。 2点を追う2回に1点を返し、なお一死一、三塁のチャンスで、中島卓也(日ハム)がセーフティスクイズを仕掛けたが、打球が投手の正面をつき、スタートに遅れた三塁走者の鈴木誠也(広島)が本塁を突き、タッチアウトとなったシーンだ。 「走塁やバントシフトなど様々サインプレーに関しては、所属チームによって“ルール”解釈が違っています。あくまでも推測ですが、あのセーフティスクイズにしても、鈴木のスタートは遅れて見えましたが、広島では、“転がすならコースを狙え、それを判断してからスタートを切れ”というものだったのかもしれません。 日ハムでは、“とにかく転がせ、空振り、ピッチドアウトがない限り、走者は早めにスタートを切れ”というものが、チーム内ルールだったのかもしれません。2013年のWBCでのダブルスチール失敗のときもクローズアップされましたが、サインプレーについては、“侍ジャパンではこうする、こういう解釈で動いてくれ!”と言うものを決め徹底しておくが重要なんです。それが見られませんでした。これも課題でしょう」 2013年のWBCの準決勝、プエルトリコ戦では、8回に1点を返し2点差とし、なおも一死一、二塁と続くチャンスで、打席に4番の阿部慎之助(巨人)を迎えた場面で、ダブルスチールを仕掛けた。一度はスタートを切った二塁走者の井端弘和(中日)がタイミングが合わずに戻ったが、一塁走者の内川聖一(ソフトバンク)は、ストップをかけずにつられて飛び出してタッチアウトとなった。これも、前の走者に合わせるのか、何があってもTHISボールで盗塁するのか、の侍ジャパンのチーム内ルールが徹底されていなかったためのミス。里崎氏は、「強化試合を見る限り、その教訓が生かされていないように感じた」という。