シリア旧反体制派主導者「悪名高い刑務所を閉鎖する」…アサド政権の恐怖政治から転換アピール
【カイロ=田尾茂樹】シリアの旧反体制派を主導する「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アフマド・アッシャラア氏は11日、ロイター通信の書面取材に対し、アサド前政権の「治安部隊を解体し、悪名高い刑務所を閉鎖する」との意向を明らかにした。
前政権下では治安部隊による反体制派弾圧や刑務所での長期の不当拘束、拷問などが問題とされてきた。恐怖政治からの転換姿勢をアピールし、HTSの過激派組織というイメージを払拭(ふっしょく)する狙いとみられる。
アッシャラア氏は書面取材で、前政権が反体制派の攻撃に使用した化学兵器について、貯蔵庫とみられる場所を監視しており「安全確保のため国際機関と連携している」と明らかにした。
また、11日の声明で、刑務所で拷問などに関わった人物について、「国内では追い続け、国外に逃げた者は引き渡しを求める」と強調し、徹底的に責任を追及する考えを改めて示した。
一方、バッシャール・アサド前大統領が率いてきたバース党は11日、無期限の活動停止を党機関紙で発表した。党の資産や資金は、内務省や財務省などに引き渡すとしている。