「若者のクルマ離れ」は過去の話? ドイツの若者「54%」、すでにマイカーを「ステータスの象徴」と見なしていた!
若者もクルマを生活必需品視
「若者のクルマ離れ」という現象は長い間指摘されてきた。実際、10~20代の運転免許保有者数はこの10年間で1割以上減少している(警視庁令和5年版リポート)。少子高齢化が進む中、この傾向はある意味で自然な流れだが、若者たちは実際にクルマをどう考えているのだろうか。ここで、世界の動向を見てみよう。 【画像】えぇぇぇ!? 電動車の「世界推移」をグラフでチェック! 2024年8月、ドイツの市場調査機関の「infas(インファス)」がドイツの自動車部品サプライヤー「Continental(コンチネンタル)」の委託を受けて実施したモビリティ調査の結果が発表された。この調査は、 ・ドイツ ・中国 ・フランス ・日本 ・米国 の5か国を対象に行われた。ドイツでは、18歳以上の1000人を対象にモビリティニーズに関する調査が行われた。その結果、若者層の多くがクルマを 「重要な生活必需品」 と認識しており、さらにクルマを自家用車としてステータスシンボルと捉えていることがわかった。具体的には、ドイツの18~34歳の若者の54%がクルマをステータスの象徴と見なしており、これは45歳以上の回答者の2倍にあたる。 また、地域ごとの違いも明らかになった。大都市に住む18~34歳の若者の67%がクルマを名声の象徴と捉えている一方で、小さな町や田舎ではその割合が約49%にとどまった。
若者が描く未来のクルマ像
若者のクルマに対する見方は、自動車業界にとって前向きな兆しとなっている。例えば、25~34歳の回答者の51%が、未来の自動車は安全な移動手段だけでなく、くつろいだり仕事をしたりする空間であるべきだと考えている。つまり、自動運転技術の進化がすでに期待されているのだ。 ドイツの若者たちも自動運転技術に前向きな姿勢を見せており、18~34歳の65%がこれを有益な技術開発と捉えている。さらに、55歳以上の回答者でも39%が同様の意見を持っている。特に34歳までの若者の約3分の2は、交通安全を向上させるために新車に最先端技術の搭載を義務付けるべきだと考えている。これは、2024年7月から施行された欧州連合(EU)の新指令(EU Directive)に賛同する見解であり、新車には先進運転支援システムの搭載が義務化された。 また、若者たちに人気があるもうひとつの未来の技術は、自動車のAIアシスタントだ。18~34歳の回答者の74%は、AI音声アシスタントが 「旅行仲間」 として、観光スポットやレストラン、ガソリンスタンドや充電スタンドの検索、駐車場の空き状況の確認、個人的なメッセージのまとめなどを行ってくれるサービスを歓迎している。 さらに、各国の調査結果を比較すると、アジアでは自動運転技術の受け入れ態勢が非常に広がっていることがわかる。中国では90%が自動運転技術を有益な開発と見なしており、日本では 「72%」 フランスでは60%、米国では56%、ドイツでは49%が前向きな姿勢を示している。AI搭載のバーチャル旅行ガイドも特に中国で人気が高く、回答者の91%がそのようなサービスを望んでいると答えている。米国では66%、日本では 「63%」 フランスでは58%、ドイツでは57%がAI旅行ガイドの導入を歓迎する意向を示している。