迷惑行為や暴言への対策!自治体で広がりを見せる「カスタマーハラスメント防止条例」を弁護士が解説!その現状とは?
『CBCラジオ #プラス!』の「ニュースにプラス!」のコーナーでは、光山雄一朗アナウンサーが気になるニュースを紐解いていきます。12月3日放送のテーマは「カスタマーハラスメント防止条例」です。客からの迷惑行為や暴言といったカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラを防止する条例が成立し来年から施行される自治体も出てきました。お客さんとして、店の従業員として、日々身近な問題です。光山がアディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生に伺います。 【動画】市バス運転手に「お前、降りろ」と無理難題!ドライブレコーダーがとらえた衝撃の瞬間はこちら【0分40秒~】
カスハラとは?
カスハラとはどんなものでしょうか? 正木「法律的な定義がはっきりあるわけではないですが、お客様からの迷惑行為、いやがらせの総称をカスハラと言っています。 一応、厚労省が定義をしていて、顧客からのクレームとか言動のうち、その内容の妥当性に照らすと手段とか対応が不相当。謝罪自体を求めることはいいが、土下座を求めるなど、やり方が不相当なものがカスハラとなってきます。それによって働いている方の就業環境が害される、強いストレスを与えるとかすごい不快感を与えるというようなものとされています」
具体的な例
正木「例えば、謝罪を求めるにあたって、長時間にわたって怒り続ける、居座り続けるというもの、謝罪文や土下座を求める、迷惑をこうむったのだから迷惑料をよこせといった不当な金銭の要求とか、暴力行為、ネットでのさらしとか悪評を流すといったものがカスハラの例です。 もちろん迷惑行為ですが、いま大事なのが従業員の方へのメンタルヘルスへの影響です。実際カスハラによって、労働者の方のパフォーマンスとか労働意欲が著しく低下する。結果的に、企業も業務効率が下がるとか人がやめるというさまざまな悪影響を及ぼすものとして認識化されていて、いま国や自治体が対策しようと動いている段階です」
旅館業法の改正
「法律の定義はない」というのは本当でしょうか? 正木「そうです。カスハラ全体を規制する法律は現時点ではないです。ハラスメントというのはたくさんあって、たとえばセクシャルハラスメント、マタニティハラスメント、育児介護などに対するハラスメント、パワーハラスメント、さまざまな職場に関するハラスメントはあり、これに関しては法律があります。 ただ、いろんなハラスメントがありますが、例えばスメルハラスメントを一般的に規制するものは存在していません。ただ一部の業界では対応しています。 例えば旅館業法という法律があります。旅館の人はカスハラを結構受けていて、契約上ないアーリーチェックイン(早く着いたから早く入れろ)とか、うちの部屋の上下左右うるさいから客を入れるなというような方に困っていまして、旅館業法については法律を変えました。 継続して要求するような方の宿泊を拒否できる。基本的に宿泊させないといけないという義務があるという業界だったので、宿泊拒否ができるように法律を改正しました。 あと、大手の企業はカスハラ客には対応しません、という毅然とした姿勢を示しているところもあります」