<春風と共に>選手紹介/10 天理・吉岡大誓投手/智弁学園・小畠一心投手 /奈良
◇変化球使い分ける左腕 天理・吉岡大誓(たいせい)投手(2年) レギュラー投手陣唯一の左腕。巧みに変化球を使い分け、相手打線を翻弄(ほんろう)する。秋の公式戦では7試合に登板し、防御率は2・78と手堅い。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 宇陀市の自宅から約1時間かけて電車通学し、副主将としてもチームをまとめあげる努力家だ。自分の強みを「野球が好きなところ」と話す。 2019年秋の県大会では実力不足を実感した。準決勝の智弁学園戦は先発投手を務めたが、8安打を浴びて三回途中で降板。筋力不足を自信の課題と捉え、筋トレとフォームの改善による球速アップに励んでいる。 「センバツでは取り組んだことを全て出し切っていきたい」。天理中野球部時代にお世話になった恩師のためにも、結果で報いるつもりだ。 ◇座右の銘は「百折不撓」 智弁学園・小畠一心投手(1年) 直球を主体にフォークなどを交えて空振り三振を狙う右腕。同じ1年で先発を任されることの多い左腕の西村王雅投手を超えることが目標だ。 2019年夏の甲子園は八戸学院光星(青森)戦で先発したが、猛打を浴びて三回途中で降板した。「憧れの地はまるで観光地で、地に足が着いていなかった」。その後、しばらく公式戦登板の機会がなかったが、秋の近畿大会・準々決勝では七回途中から西村投手の後を託され逃げ切った。「ほっとした」。試合後、直近の公式戦4試合のマウンドを一人で守ってきた西村投手に「ありがとう」と声をかけた。 座右の銘は「百折不撓(ひゃくせつふとう)」。何度挫折しても立ち上がり、失敗は恐れない。再び大舞台のマウンドに立ち向かう。