対策は「とにかく川の水を飲まない」……きれいに見える川にも“感染症リスク” 熊本で69人が体調不良【#みんなのギモン】
■クリプトスポリジウム症の症状と原因
猪子記者 「なじみがないものですよね。厚生労働省によると、クリプトスポリジウム症とは、寄生虫による感染症です。潜伏期間は3日~10日。症状は下痢・腹痛・吐き気・けん怠感などで、軽度の発熱を伴う場合もあるそうです」 「通常、数日から数週間で自然におさまりますが、免疫機能が低下している人の場合は重症化することがあるので、注意が必要だということです」 「松本教授は、下痢やおう吐の症状が天草の滝で遊んでいた高校生7人にあったことから、クリプトスポリジウム症がより可能性が高いのではないかと指摘しています」 「この寄生虫がいるヒトや動物の排せつ物や、排せつ物に汚染された食品や水などを食べたり飲んだりすることで感染します」 「衛生設備などが整っていない地域での食事や水泳で感染リスクが高まりますし、寄生虫のいる湖などで泳いでいる間に水を飲むことでも感染するということです」 「松本教授も、川の上流で感染している動物が排せつし、それが下流にまで流れてきて、その水を飲んでしまうと感染すると話していました」 森アナウンサー 「分かりやすく濁っていれば気をつけることもできますが、寄生虫由来と言われてしまうと気をつけようがなかなかないですよね」
■レプトスピラ菌が引き起こす感染症も
猪子記者 「もう1つ疑われるのが、レプトスピラ症です。沖縄県によると、らせん状の細菌『レプトスピラ菌』を原因とした感染症です。この菌に感染した動物の排せつ物に汚染された水や土に触れることで感染します」 「ネズミやイノシシなどの野生動物が菌を持っていると考えられていますが、ウシ・ブタなどの家畜や、イヌなどのペットも感染源となります」 河出奈都美アナウンサー 「クリプトスポリジウム症(の原因)は、汚染された食品や水などということでしたが、レプトスピラ症に感染する場合はどんなシチュエーションが考えられるのでしょうか?」 猪子記者 「川や池・滝などで泳いだり、トレッキングや釣りといったレジャーや、農作業・ガーデニングでの感染もあり得るそうです」 鈴江アナウンサー 「結構身近ですね」 猪子記者 「潜伏期間は3日~14日。症状は頭痛・発熱・筋肉痛・下痢・おう吐などで、松本教授は『インフルエンザに近いような症状が出る』と表現していました。国立感染症研究所によると、重症化すると黄だんが出たり、腎障害を起こしたりすることもあります」