マイクロソフトCEOが従業員に根付かせた「何でも学ぶ」文化。自己研磨には謙虚な姿勢が重要
サティア・ナデラといえば、2014年にマイクロソフトのCEOに就任し、大きな変革をもたらした人物として知られています。 彼の目標は従業員が「知ったかぶり」をする文化から、「何でも学ぶ」文化へと変革することでした。 マイクロソフトが「何でも学ぶ」文化へと移行したことが与えた影響について、ハリー・マクラッケン氏は「ナデラのもとで、マイクロソフトは『威厳』を取り戻した」と評価しています。 ナデラは上手くいっていないプロジェクトを打ち切り、将来有望なプロジェクトに注力。OpenAIとの提携し、マイクロソフトを人工知能のリーダーへと位置づけました。 そして現在、同社は時価総額が3兆ドルを超え、世界でも最も価値のある企業となっています。 今回は、マンセート・ベンチャーズのCEO兼最高コンテンツ責任者を務めているステファニー・メタ氏の解説をもとにナデラがマイクロソフトに根付かせた「何でも学ぶ」文化について紹介していきます。
1. 「何でも学ぶ」文化を根付かせる
実際問題、「何でも学ぶ」文化を根付かせるためには大変な努力が必要です。 ナデラにインスピレーションを与えたキャロル・ドウェック氏の成長と固定のマインドセットの研究では、「好奇心を持つ」ことを単に唱えるだけでは変革につながらないと警告しています。 企業は「従業員が成長する」または「何でも学ぶ」ためのアプローチを実践するための方針や慣行を設定しなければなりません。 つまり、経営者も従業員同様に、知ったかぶりをすることをやめる必要があるということです。従業員らは経営者がすべての答えを知っていると信じているケースは少なくありません。 それらを考えると経営者が知ったかぶりをやめるのは難しく感じますが、必要な変化といえるでしょう。 メタ氏がヤム・ブランズ前会長兼CEOのデビッド・C・ノバック氏に「好奇心や学習マインドは教えられるものなのか?」と尋ねたところ、「学習マインドは鍛えられる筋肉だと私は強く信じているし、これは習慣になりうる」と述べていました。 またノバック氏は続けて「しかし、自己研磨できる唯一の方法は、自分ひとりでできることではなく、自己研磨には他人から学ぶべきだという『謙虚な姿勢』と『自己認識』を築かなければならない」と語っています。