マイクロソフトCEOが従業員に根付かせた「何でも学ぶ」文化。自己研磨には謙虚な姿勢が重要
2. 失敗から学ぶためには
ノバック氏の著書には、アメリカン・エキスプレスの元CEOであるケネス・チェナルト氏や活動家のテンプル・グランディン氏などのリーダー経験から学ぶ教訓が掲載されています。 著書は章ごとに、経験から学ぶ方法やより鋭い観察力を持って積極的に取り組むマネージャーとして学ぶ方法の例が紹介されているのですが、どの章でも一貫して謙虚さが学びの重要なテーマとして浮かび上がります。 「失敗から学ぶ」というサブタイトルの章で、ノバック氏はペプシコ社の飲料部門の最高マーケティング責任者として、瓶詰会社からの否定的なフィードバックが届いたり、元ペプシコCEOのドナルド・M・ケンダル氏からの否定的な意見を無視して「クリスタル・ペプシ」という名前の製品を押し進めたことを回想しています。 「クリスタル・ペプシ」はタイム誌の「世紀の最悪のアイデア100選」に選ばれ、テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でもネタにされました。 大きな教訓として、ノバック氏は「経験豊富な人々が彼らの教訓を共有する時には、耳を傾けなさい」と綴っています。 ナデラも「何でも学ぶ」姿勢を受け入れる過程で、謙虚さが重要だと感じる経験をしたそうです。 ナデラの著書では、2014年に開催されたグレース・ホッパー・カンファレンスでの発言について言及しています。 女性が給与の引き上げを求める際には「自分にふさわしい昇給を与えてくれる制度を信じるべきだ」と発言。これにより、ナデラはマスコミやSNS上で非難を浴び、従業員らに謝罪のメールを送りました。 この件についてナデラは「ある意味、私が公に失敗したことは良かったと思います。なぜなら、この経験により自分に無意識の偏見があることに気づくことができたからです。私の人生や会社で出会えたすばらしい女性たちに対する新たな共感を見出だすのに役立つ教訓になりました」と振り返っています。 またナデラは「私は学ぶためにフェニックスに行き、確かに学びを得ることができました」と結論づけていました。