【オープンキャンパス】参加しても「加点」にならない、それでも…専門家が語る「行く意味」
大学を知るために、ぜひとも行っておきたいオープンキャンパス。特に総合型選抜や学校推薦型選抜といった「年内入試」を受ける場合は、入試にも生かせることがあります。大学を知るためだけではなく、合格のために必須の入試もあります。参加して、人生を決めるような一日にするために、オープンキャンパスに行く際のポイントを紹介します。 【表】「オープンキャンパス参加型入試」を実施する大学はどこ?
最近はオープンキャンパスへの参加が高校の夏休みの宿題になるなど、オープンキャンパスは大学選びに欠かせないものになりつつあります。 オープンキャンパスへの参加が、大学入試に直結する場合もあります。例えば、四天王寺大学や平安女学院大学などのように、オープンキャンパスの特定のプログラムに参加し、そのレポートなどを書くことを総合型選抜のエントリー条件とする「オープンキャンパス参加型入試」を実施する大学もあります。また、総合型選抜や学校推薦型選抜の入試には面接試験が課されるため、面接で「オープンキャンパスに参加しましたか」と聞かれることもあります。 もっとも、「オープンキャンパス参加型入試」などを除くと、オープンキャンパスへの参加が年内入試の選考に直接、結びつくわけではありません。 総合型選抜専門塾、AOIの小澤忠代表は、こう話します。 「オープンキャンパスに参加したかどうかを、入試の加点や減点対象にしている大学は基本的にありません。もちろん、面接で『オープンキャンパスに参加しました』と答えたほうが好印象でしょうが、それだけのこと。オープンキャンパスに参加する意義は、別のところにあります」 「年内入試」は、志望理由書や事前課題といった提出書類のほか、小論文や面接、プレゼンテーション、学力試験などを組み合わせて、多面的に合否を判断します。小澤さんによれば、総合型選抜で合格するために特に大事なのは、「だからこの大学で学びたい」という志望理由の部分です。 「年内入試は志望理由書などを通して、『この大学で学びたい』という意欲の部分を証明する入試方式といえます。オープンキャンパスは、そこを深めるための絶好のチャンスです。自分が何を探究したいのかや、将来やりたいことは何かといったことは、すぐに見つかるものではありません。学校の勉強や部活、ボランティアなどを通じて自分を見つめる時間も必要です。志望理由書を書くのは受験校が決まってからですが、何を書くかという点では、かなりの準備を要します。このための解像度を上げることに役立つものがオープンキャンパスなのです」 例えば、医療系の学部では、大学によって施設や設備に差があります。 「オープンキャンパスの施設見学で、その大学だけにある最新の機器などを紹介されたら、『ここで学びたい』という強い気持ちになるかもしれません。そうであれば、そのことを志望理由書に書くことができます。面接でも、オープンキャンパスでの体験から志望理由をしっかり語ることができ、意欲も伝わるでしょう」(小澤さん) 模擬授業を受けたり、大学がどのような授業や研究に力を入れているかを教員や学生に聞いたりすれば、それも志望理由につながるかもしれません。どうしてその大学で学びたいのか、という理由を見つけに行くのがオープンキャンパスだといえます。