「固定残業代」のメリットとは何? 「給料に下駄を履かせる」イメージだけが先行しているのですが…。
固定残業代と聞くと、「会社が得をするだけで、労働者にとっては働き損になるんじゃないの?」と不安に感じる方も少なくないと思います。労働者側にとってどのようなメリットがあるのか具体的にわからないと、固定残業代のある会社の求人には応募しにくいものです。 そこで本記事では、労働者側から見た場合の固定残業代のメリットやデメリットなどについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
固定残業代の会社で働くメリット
固定残業代の会社で働くメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。 ●残業時間が0でも受け取れる ●毎月の収入が安定する どのようなメリットが得られるのか、1つずつ、確認しておきましょう。 ■残業時間が0でも受け取れる まず、固定残業代は、残業時間が実質0時間でも受け取れるのが大きなメリットです。仕事を就業時間内で早く済ませてしまい、実際には残業をほとんどしていなくても、固定残業代は必ず支払われるので、人によってはお得な働き方になります。 ■毎月の収入が安定する 次に、固定残業代には、毎月の収入が安定するというメリットもあります。一般的に固定残業代のない会社では、その月々に発生した残業時間によって給与額が変わるため、長期的な資金計画を立てにくいです。 しかし、固定残業代がある場合は残業時間に左右されず、一定額の残業代が確実に支払われるため、毎月安定した収入を得ることによって長期的な支払計画にもスムーズに対応できるでしょう。
固定残業代の会社で働くデメリット
固定残業代の会社で働くデメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。 ●労働時間が長くなりやすい ●超過分が未払いになる恐れがある 固定残業代のどのような点に注意をしないといけないのかチェックしておきましょう。 ■労働時間が長くなりやすい 固定残業代には、労働時間が長くなりやすいというデメリットがあります。なぜなら、固定残業代は、毎月残業が発生することが予想される会社で主に導入されているからです。そもそも残業が発生しにくい会社では、その都度残業代を支払ったほうが人件費が安く済むため、固定残業代を導入するメリットがありません。 このように、固定残業代を導入している会社では、残業することが大前提となっており、固定残業代が導入されていない会社より激務になりやすいので注意が必要です。 ■超過分が未払いになる恐れもある 固定残業代のある会社で働くデメリットとして、「すでに固定残業代を払っているのでこれ以上の残業代は出せない」と、固定残業代に含まれる残業時間を超過した分について、支払いを拒否されるケースがあります。 こうした固定残業代を言い訳にした超過分の不払いは「違法」であり、労働基準法第37条では、労働者が時間外、休日、深夜労働をした場合は、会社が割増賃金を支払わなければいけないことを明記しています。 そのため、残業代の超過分を支払ってもらえない場合は、会社の所在地を管轄している労働基準監督署や、全労連の「労働相談ホットライン」などへ相談してみましょう。