<春を駆ける>高知 選手紹介/1 山下圭太投手/西野啓也捕手 /高知
3月18日に阪神甲子園球場で開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に向け、「まずは1勝」を合言葉に練習に励む高知の選手たち。現時点の予想メンバー18人の横顔を紹介する。【小宅洋介】 ◇投打でチームけん引 山下圭太投手(2年) 投打に豊かな素質を誇るユーティリティープレーヤー。昨秋の大会通じての登板数はチーム最多。打者としても3割6厘の打率を誇り、文字通りチームをけん引してきた。 高知中出身。年の離れた兄の影響で野球を始め、2019年には、同校エースとして全国準優勝を果たした経験もある。投手としての実績を残しながらも野手としての実力も買われ、高校では21年の春大会からベンチ入り。新チーム発足時には、「このチームは野手はすごいが、投手が足りない」と危機感を感じ「自分がやらなければ」と投球を磨いてきた。 自他共に認める「負けず嫌い」で、勝負事には絶対に手を抜かない。変化球と直球の丁寧な投げ分けができる投手を目指し、冬場は球速帯の向上に取り組む。「三振を取って勝てる投手になりたい」 ◇多彩な投手陣リード 西野啓也捕手(2年) 扇の要からチーム全体に目を配る女房役。継投策が特徴である現チームで多彩な投手陣を丁寧にリードし、昨秋の四国大会制覇の立役者となった。 和歌山県出身。中学時代に練習を見学した際に、プロ野球ドラフト会議で阪神から1位指名を受けた森木大智投手の投球を目の当たりにして、「こんな球を受けてみたい」と入学を決意した。 捕手としては素早いスローイングが身上で、二塁への送球速度は1・9秒。四国大会決勝では初回にスリーランを放つなど、ここぞというときの勝負強さも持ち味だ。 昨夏の高知大会決勝戦、明徳義塾に敗れ、グラウンドを去った先輩たちの姿が目に焼き付いている。「こんな悔しい思いはもうしたくない」と闘志を燃やしながら、寡黙に練習に励む。