”カフェが混みすぎて入れない”東京で「待ち時間を減らす」取り組みをしている意外なカフェチェーン
ティーカフェチェーンが根付かない問題
しかし、筆者には気になることがある。 それは「日本でティーカフェチェーン根付かなかった問題」である。これ、一部界隈では定期的に話題になるネタなのだが、特に日本のチェーンにおいて「コーヒーチェーン」は広がりを見せても、なぜか「ティーカフェチェーン」はそこまでの盛り上がりがない。 これは、 ティーカフェチェーン市場がブルーオーシャンでもあると同時に、裏返せば「需要がない」からでもあるのではないか。そもそも日本でティーカフェチェーンが根付かなかった理由はなんなのだろうか。酒井氏は次のように言う。 「高度成長期に喫茶店文化が高まりを見せ、その流れでコーヒーチェーンも広まりました。もちろんそれらの店でも紅茶は扱っていましたが、基本はコーヒーだった。そうした経緯もあって、日本人の中に喫茶店やカフェといえばコーヒーというイメージが確立されたんじゃないでしょうか」 高井尚之『カフェと日本人』によれば、日本では高度成長期に個人経営の喫茶店が流行し、その数が増加。1981年には15万4630の喫茶店があった。その年をピークとして喫茶店数は減少していくが、そこに登場してきたのがドトールコーヒーやスターバックスといった大手のコーヒーチェーンである。 「もう一つが、日本人にとってお茶がなじみ深い飲み物だということです。だから、一昔前は家庭でもお茶を飲む習慣があったし、今でもペットボトルで160円ぐらいで簡単に手に入れることができる。そうすると、お茶に300円とか400円を払って飲む感覚が生まれないんですよね」 日本で「お茶」が持っているポジションが大きな問題になるわけだ。 では、そんな中で「ティーカフェチェーン」の勝算はどこにあるのか。 後編『「お茶」のカフェチェーンで勝負するゴンチャ…デジタル化社会であえて「アナログなこともする」納得の理由』で詳しく解説する。
谷頭 和希(都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家)