”カフェが混みすぎて入れない”東京で「待ち時間を減らす」取り組みをしている意外なカフェチェーン
リアル店舗に力を入れる「有名カフェチェーン」
筆者は近年、「東京のカフェ混みすぎ問題」(筆者が勝手に名付けた)を精力的に取材している。特に渋谷などは20軒近いスターバックスがあるのに、週末にもなればどこも大行列。 【写真】「余計なご飯を食べたくない」都心の若者がシーシャで「チル」する納得の理由 筆者の問題提起に続き、いくつかのメディアもこの問題を追っている。例えば集英社オンラインの「なぜ都会では“カフェでひと休み”すらできないのか?「カフェ難民」が続出している根本的原因」では「平日も午後はほぼ満席で、サッと座れるのは午前中くらいですね。土日はもっとすごくて、街自体も人があふれてますから、チェーン店も喫茶店も多くは列ができていると思います」というカフェ店員の声が紹介されている。 消費者の視点に立てば深刻な問題だが、企業にとってこの状態は絶好の「ビジネスチャンス」ともいえる。そこに需要があるからだ。 そんなビジネスチャンスを活かし、「リアル店舗」の展開に注力する企業がある。タピオカでお馴染みの「ゴンチャ(Gong cha)」だ。
副都心には、まだ出店チャンスがある
ゴンチャといえばタピオカ、タピオカといえばゴンチャ。 そう感じている人は多いだろう。しかし、もともと同社は「ティーカフェチェーン」で、ウーロンティーやブラックティーなど、厳選された茶葉で淹れた「お茶」が売りである。客層もタピオカブームの時にはほとんどが若い女性だったが、現在ではティーを目的とした方が増えており、30歳以上の方や男性の客層もみられるようになっている 。 こうした変化もあって、同社の業績は2015年の日本上陸以来、タピオカブームの終焉やコロナ禍などのマイナス要因を跳ねのけ右肩上がりを続けている。タピオカだけに依存しない体質の「ティーカフェチェーン」であることも、功を奏したのだろう。 そんなゴンチャが力を入れるのが「リアル店舗」の開拓で、2028年までに国内400店舗を目指している。中でも期待を寄せているのが、副都心エリアだ。 「渋谷・新宿・池袋あたりにはまだまだお店を出せると思っています。都心部で他のカフェが混んでいて入れない……という人にゴンチャ体験をしてほしいです」 そう語るのは、ゴンチャ ジャパンで経営企画本部長を務める酒井洵氏。自身も「カフェ混みすぎ問題」を肌で感じるときがあるという。 「息子がいるんですが、習い事の教室に入れたあと、1時間半ぐらい時間が空くんです。そのとき、カフェに入ろうと思っても入れないんですよ。それで1時間半、散歩して戻ってきたりします(笑)特に新宿、渋谷、池袋、あの辺りは本当にすごいなと」(以下、「」内のコメントは酒井氏) こうした経験もありつつ、副都心エリアに出店を伸ばそうとするゴンチャだが、そもそも出店エリア自体はどのように決めているのか。 「基本的にはゴンチャファンの方が望む場所にきちんとお店があることを意識はしています。それと、1店舗の売り上げが大きくなりすぎると、待ち時間やサービス品質が低下してしまう可能性が高くなります。ですから、そうした場合は、近くにもう1店舗お店を作り、お客様の満足度を上げることも考えています」