米株高のけん引役、テク大手からバトン渡せるか-下期リターン左右
(ブルームバーグ): 現在の米株高局面が始まった2022年10月以降、ハイテク大手の絶え間ない成長は投資家にとって戦略上の信条となってきた。
だが、年内の収益見通しは精彩を欠く見通しで、力強い株高の流れが続くには市場の新たな担い手が必要になりそうだ。
トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズの共同最高投資責任者(CIO)、キース・ラーナー氏は「下期に株式市場が同様のリターンをたたき出すには、株高の裾野の広がりが必要だ」と語った。
こうしたシナリオは現実のものとなるかもしれない。ハイテク大手の利益の伸びは今後著しく鈍化する見通しだが、1-3月(第1四半期)に利益が20%余り減少していた素材やヘルスケアといった業界は10-12月(第4四半期)までに約25%の利益拡大が見込まれている。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の株式クオンツストラテジスト、クォン・オソン氏は「エネルギー、素材、一般消費財、資本財、金融といったセクターは面白くなりつつある」と指摘。「これらすべての景気循環セクターは、今年下期に一段と好調になるだろう」と述べた。
このローテーションはすでに始まっているようだ。BofAの顧客は、5月31日終了週にハイテク株から約22億ドル(約3400億円)の資金を引き揚げた。これはデータがさかのぼれる2008年以降で2番目の大きさだ。一方、資金流入が最も多かったのは一般消費財セクターで、同セクターは年初来1.9%値上がりと、S&P500種株価指数で2番目に悪いパフォーマンスとなっている。
原題:Big Tech Is Driving the S&P Rally. The Rest Have to Step Up Soon(抜粋)
--取材協力:Alexandra Semenova.
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Jeran Wittenstein, Jess Menton