170年以上の歴史を持つ「バリー」 変革の出発点は「自分たちを恥じないこと」とCEO
WWD:シモーネ・ベロッティとはイメージの再構築に向け、どんなビジョンを共有している?
ジロットCEO:彼とはミーティングを何度も重ねながら、「『バリー』とは何か?」というすごくシンプルな問いを議論した。「バリー」の長い歴史の中でもどんな部分が今の時代に響くのか、何を後世に残していきたいのかを話し合う中で、シモーネはすごくシンプルな答えを持ってきてくれた。それは、「自分たち自身を恥じない」ということ。違うブランドになろうとせず、スイスにアイデンティティーを持つ、クラシックなブランドであることを誇りに思うことから始めようという彼のビジョンはすごく気に入った。彼の最初のコレクションでは1923年に誕生したシューズ“グレンデール”を現代風にスタイリングしたり、スイスといえば誰でも思い浮かべるカウベルのモチーフで遊んだり(笑)。自分たちが何者であるかにすごく正直になれた気がしたコレクションだった。既存の顧客にも新しい顧客にも響くはずだ。
WWD:今後特に注力していくカテゴリーは?
ジロット:全カテゴリーに注力したいと思っているが、レディ・トゥ・ウエアの打ち出しはさらに強めていきたい。現在の売り上げ構成比は、40%がシューズ、40%がアクセサリー、残りがレディ・トゥ・ウエアだ。シューズに関する圧倒的なノウハウは強みだ。全てスイスのインハウスで製造していて他にはないモノ作りができる。アクセサリーも同様だ。
新コンセプトの旗艦店を銀座にオープン
WWD:このほど新たな旗艦店を銀座にオープンした。狙いは?
ジロットCEO:日本はグローバル売り上げの約10%を占める重要な市場だ。ブランドの新しいコンセプト、そしてシモーネによる最新のコレクションをお届する最初の店を、ラグジュアリーブランドが集まる銀座に構えたのは自然な流れだ。取り引きのある百貨店などのパートナーにも、私たちが日本市場を大切にしている姿勢を見せたい。