地元で勝てなかった河本結の“気付き” 所属先リコーへ恩返しVを
◇国内女子メジャー◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 事前(19日)◇宮崎CC(宮崎)◇6497yd(パー72) 【画像】きょうも明るい原英莉花 河本結が所属契約先・リコーが特別協賛する最終戦へ4年ぶりに戻ってきた。2019年「アクサレディス」で初優勝し、同年8月に所属契約してリコーカップでも4位に入った。しかし、米ツアー挑戦と日本ツアー復帰を挟んで21年からは3年連続で出場を逃してきた。「(成績を落として)つらい時にもサポートしていただいて、出場もできなくて本当に申し訳なかった気持ちがある。やっぱり恩返しするには、ここで勝つしかないと思っています」と力強く話す。 前週は地元の愛媛・松山で行われた「大王製紙エリエールレディス」で首位発進。不調時に愛媛県知事の中村時広氏から激励の手紙が届くなど、自らを支えてくれた故郷で優勝して恩返ししたい気持ちも強かった。結果は10位。悔しい4日間で学びもあった。「地元だし『勝ちたい』って気持ちも入るじゃないですか。初日も良かったし、成績も残したいって。でも、それだとやっぱりうまくパフォーマンスできないって自分でも気付けた」。指導を受けるメンタルトレーナーとも話し、改めて気持ちのコントロールの仕方を見つめ直した。 「『勝ちたい』って気持ちでは、まだ勝てるレベルじゃないって、自分を下げることにつながっちゃうんです。『普通にやれば勝つ』っていうメンタルにしなきゃいけない。現実的には私は『勝ちたい』って思わなきゃいけない(立場の)選手だけど、竹田麗央ちゃんになる感覚です」。今季8勝と圧倒的な強さで年間女王に輝いた21歳は自分を信じ切り、「勝てる」と思って戦っているはず。並外れた実力はもちろん、緊張と無縁に映る戦いぶりに関わっていそうなメンタルの持ちようにもリスペクトをにじませる。 河本はスマートフォンの待ち受け画面に、本を読んで感銘を受けたという幕末の思想家・吉田松陰の言葉をスクリーンショットにしていつでも見返せるようにしている。「最近は中村天風さんの『運命を拓く』がメチャメチャおすすめです。大谷翔平さんも読んだって聞いて…」。フィジカル面、技術面の取り組みとともに、自らの内面に目を向け、知識のインプットにも貪欲だったから8月「NEC軽井沢72」で5年ぶりに復活優勝を遂げることができた。 「体調管理もゴルフの状態も優勝が見える状態だと思う。準備はできている感じなので、自分を信じて、やり切るだけ」とうなずいた。(宮崎市/亀山泰宏)