米高官がシリア訪問 反体制派指導者の懸賞金を撤廃、協議を継続へ
米国のリーフ国務次官補は20日、シリアの首都ダマスカスを訪れ、アサド政権を崩壊させた反体制派の中核で暫定政権を主導する過激派組織「シャーム解放機構」(HTS)のジャウラニ指導者と会談した。国務省が発表した。米国が同氏にかけていた懸賞金を撤廃することや、女性や多様な民族・宗教を尊重する「包摂性」の大切さを伝えたという。 リーフ氏はこの日の記者会見で、懸賞金の撤廃は「HTSとの協議を始めるための政策決定」だと語った。米国はHTSをテロ組織に指定し、ジャウラニ氏に1千万ドル(約15億円)の懸賞金をかけてきた。ただ実際には攻撃対象とせず、穏健に変わったと主張するHTSや同氏の言動を見極めようとしていた。 リーフ氏は会談を「非常に良好で生産的で詳細」だったと評価。「国内外の幅広い問題を話し合った。彼は現実的な人物に見えた」と感想を述べた上で、「我々は言葉だけでなく行動で判断する。行動こそが重要だ」と強調した。
朝日新聞社