「慢性的に不足続いている」咳止め薬が不足 医療現場に広がる影響と不安 増産要請も解消のメドたたず
読売テレビ
寒暖差などの影響で体調を崩しやすいこの季節。大阪市内の薬局ではせき止めなどの薬が不足していて、影響は医療現場にも広がっています。 大阪市内の薬局は、深刻な薬不足に頭を悩ませています。 たから薬局 管理薬剤師・松本慶子さん 「咳止めや抗生物質は慢性的に不足が続いている」 ジェネリック医薬品メーカーの不祥事などの影響で、せき止めの薬や抗生物質の供給量が減少。薬の発注画面には「欠品」や「出荷調整」の文字がずらり……。 たから薬局 管理薬剤師・松本慶子さん 「お子様のぜんそくとかに使われる吸入薬で、欠品や出荷調整になっています。(薬を)発注したのが11月14日なんですけど、いまだに入ってこず、患者さんに待ってもらっている状態が続いています」 たから薬局 管理薬剤師・松本慶子さん 「国の施策として今年10月から『選定療養』といって、よほどの理由がない限り、先発品、もとからある薬ではなくジェネリックメーカーのお薬を使いなさいと。そうしたら、ジェネリックに需要が集中して、そこで不足が発生する問題も起きている」 大阪府内のクリニックでも薬不足が深刻に……。 かなざきこどもクリニック・金﨑光治 院長 「(処方箋の)リクエストは出すのですが、薬局の都合もあるのでうまく流通が行かない場合も多い。お母さんには『この薬しかないのでごめんなさい』と言っています」 患者に処方箋を出しても……。 患者 「薬局に行って 処方された薬がなくて、違う薬局に2~3軒は行きました。結局なくて、違う薬に変更となりました。子どもがしんどい時に薬がないのは、親としてはとても不安でいっぱいです」 薬がなく、処方箋が無駄になるケースもあるといいます。 かなざきこどもクリニック・金﨑光治 院長 「(薬不足は)医療サイドも色々努力はしているが限界もある。大きな問題は厚労省マターだと思う」 厚生労働省はメーカーに増産要請を出していますが、現場では薬不足解消のメドは見えておらず、患者が増える本格的な冬を前に医療現場に不安が広がっています。