新型「ミニ・クーパー5ドア」登場 4車種揃った“新世代ミニ”はどう違う? 似ているようで異なるそれぞれの個性とは
新世代ミニのラインナップはどう異なる!?
もうひとつ、ミニのモデルバリエーションを複雑にしているのが、クルマの車体の基礎となるプラットフォームの存在です。
新型ミニ・クーパー3ドアの場合、EVとICE(内燃機関モデル)では、プラットフォームが異なります。 3ドアのEVには、新開発のEVプラットフォームを使用していますが、エンジン車のプラットフォームは、先代ミニのプラットフォームをアップデートさせたものを使用しています。このプラットフォームは新型ミニ・クーパー5ドアも同様です。 そして、新型ミニ・エースマンは、新型ミニ・クーパー3ドアのEVと一部を共用しながらも、専用開発されたプラットフォームを採用しています。 それでは、もっともサイズが大きいSUVの新型ミニ・カントリーマンというと、従来のミニ・クラブマンやミニ・クロスオーバー同様に、BMWの小型前輪駆動車向けのプラットフォームを使用。最新世代では、EVとエンジン車の両方に対応が可能となっています。 その違いは、生産地にも反映されていて、新型ミニ・クーパーのエンジン車が英国製に対して、新型ミニ・クーパーのEVと新型ミニ・エースマンは、中国生産に。さらに新型ミニ・カントリーマンに関しては、ドイツ生産となっています。 その背景には、生産に最適な設備を持つ工場が選ばれていることがあります。ただミニ・ブランドも将来的なEVシフトを掲げているだけに、その準備を開始しています。 2023年9月には、英国工場でのEV量産化の投資を行うことが発表されています。そして、2026年から新型ミニ・クーパー3ドアのEVと新型ミニ・エースマンの生産も開始されるそうです。 ※ ※ ※ 最新ラインアップを整理すると、エンジン車を用意するのは、新型ミニ・クーパーの3ドア&5ドア、新型ミニ・カントリーマンの3タイプ。 EVを用意するのは、新型ミニ・クーパー3ドア、新型ミニ・エースマン、新型ミニ・カントリーマンの3タイプとなります。 新世代ミニのラインナップでもっともマルチな存在なのが、実は新型ミニ・カントリーマンです。 パワーユニットに、ガソリン/ディーゼルエンジン、EVを採用するだけでなく、ガソリン車とEVにはALL4(4WD)も選べます。さらにハイパフォーマンスなガソリンエンジン車の「JCW」まで用意されています。 もちろん、もっとも強く伝統を受け継ぐ新型ミニ・クーパー3ドアにも、この後、高性能なJCWの投入が控えています。 市販モデルは、2024年10月に世界初公開される予定で、エンジン車だけでなく、初のJCWのEVも用意されるというから注目です。 残すは、ファッションアイコンでもあるミニのオープンモデル、新型ミニ・コンバーチブルの行方でしょう。ただ世界中にファンがいる存在だけに、第4世代のコンバーチブルの開発も秘密裏に進んでいると期待して、続報を待ちましょう。 将来的には、EVシフトを果たしていくだけに、エンジン車とEVの選択が可能な今が、もっとも悩ましくも楽しいミニ選びができる瞬間かもしれませんね。
大音安弘