「コーヒー、トースト、サラダで1350円」「観光客で溢れているが」…。喫茶トリコロールの「ちょい高モーニング」の“超正直な感想”
しかしながら、見た目が100点すぎる。白いお皿にふわりと広がった全ての野菜は新鮮で、フリルレタスの赤と緑のグラデーションに、パプリカとトマトで彩りを添えています。 かかっているフレンチドレッシングは上品な酸味とまろやかさで、野菜のおいしさを引き立て、隙のない完成度の高さです。 パンもサラダもいたって普通で、特別なことはしていないはずなのに、食べると特別においしく感じる、そんな朝ごはんでした。 ■ネルドリップのアンティークブレンドコーヒー800円
モーニングセットのドリンクは、アンティークブレンドコーヒー税込800円をセレクト。コーヒーは1杯ずつ丁寧にネルドリップで抽出しています。 テーブルに空っぽのカップアンドソーサーがサーブされ、目の前でポットからコーヒーを注いでもらえるので、スペシャル感にグッときます。 「スターバックス」や「コメダ珈琲店」の苦味が立った深煎りでもなく、「ブルーボトルコーヒー」のようなフルーティーさでもない。 酸味はしっかり、味は深いけど苦味は少なめ。1口飲むとコーヒー豆の香ばしい香りが鼻を抜け、アンティークという名前の如く、なんとなく懐かしい昭和の喫茶店の味がします。
800円と思うと、ありがたみがすごい。丁寧に味わいながら飲むので、おいしさが割り増しです。 ■旅行客もわざわざ訪れる、1時間待ちしてでも食べたい特別な朝ごはん 以前から銀座の「トリコロール」のモーニングは有名で、並ぶことも多かったのですが、今回は20人近くの行列ができていました。 9時半頃に入店し、待ち時間はなんと1時間以上(とはいえ、店内の階段に並ぶので寒さはしのげます)。 どうやら「トリコロール」は、外国人旅行者に大人気のようで、年末の旅行シーズンとかち合ったことで、いつも以上の大行列になっていました。
筆者の前に並んでいるカップルも、後に並んでいる家族も、一見すると日本人なのですが、日本語ではない言語で会話しています。 もはや、観光地の域に達しているのではないかと思うほどの人気で、あまりの混雑ぶりに、常連と思しき人たちは入店するや否や、入り口で受付をするスタッフに軽く挨拶だけして「良いお年を」と立ち去っていくほどです。 店内の椅子やテーブルのレイアウトは昭和サイズで、席間も広くはないし、テーブルも小さめですが、かえってそれが独特の居心地の良さにつながっています。
コートを脱いで椅子にかけていたら、床に擦っていたようで、それに気付いたホールスタッフの男性が荷物入れを持ってきてくれました。 そのときにかけてもらった言葉がこちら。「大変おそれいります。どうぞこちらをご利用くださいませ」。丁寧な接客にいたみ入り、すっかりファンになってしまった朝です。 【本文中で紹介できなかった画像アリ】歴史あるトリコロールは、レトロな内装も魅力的! 編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。
大木奈 ハル子 :ブロガー・ライター