中島裕翔、役作りで板垣李光人を観察?「疲れてないかな?って…」ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』で切ないバディに
俳優の板垣李光人、Hey! Say! JUMPの中島裕翔がW主演を務める、来年1月スタートのカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(毎週月曜 後10:00)。異色の捜査方法で難事件に挑み、“かつてないほど切ないバディ”となっていく板垣、中島がクランクインを前に合同取材会に参加した。 【全身カット】かわいい!刃物がモチーフの自作衣装で登場した篠原ともえ 清水玲子氏の原作漫画『秘密-トップ・シークレット-』を実写化。舞台は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”と言われる架空の組織。凶悪な重大犯罪において被害者および犯人死亡の際、死後一定時間内の脳をMRIスキャンし、生前の記憶を映像再現し「MRI捜査」を行う第九のメンバーたちの姿を描くヒューマンサスペンス。 類いまれな容姿に驚異的な記憶力と鋭い洞察力をもち、「第九」の創設メンバーとして若くして室長の座についた天才・薪剛(まきつよし)を板垣。薪が大学時代から親友以上の存在と感じていた同僚・鈴木克洋(すずきかつひろ)と、鈴木の死後に第九に配属される、鈴木にうりふたつの新米捜査員・青木一行(あおきいっこう)を中島が演じる。 ――演じる役柄に惹(ひ)かれる点や自身との共通点はありますか。 板垣:薪はキャラクター的にいえば頭脳明晰(めいせき)でクール。頭が切れて、人への当たりが強い。それは彼が壮絶な人生を歩んできたからこそ、自分と自分の周りの人を守るために形成させた人格であり、本当は薪という人間は繊細で弱さもあるところに惹かれます。共通点は誕生日が一緒です。1月28日です。 中島:撮影中だ。誕生日プレゼントどうしよう! 板垣:楽しみにしています(笑)。 中島:まず鈴木は薪と同級生。昔から仲が良く、2人で警察を志し、これでようやく未解決事件がなくなると勤しんでいる人間。そういう薪のもろさ、危うさをすごく理解している人。どこか常に薪のことを考え支えようとする心優しい人だと感じます。青木は容姿が鈴木に似ていて、鈴木を知っている人間をハッとさせるようなところもあり、言動が鈴木とオーバーラップする。第九の新人として初日からしごかれるのですが、薪の厳しさについていくので必死。脳のMRI捜査も、視聴者と同じ目線で新鮮に受け取るキャラクターです。観察力が鋭く、ギャップもあって、かわいらしいキャラクターです。わりとHey! Say! JUMPのメンバーといると僕はイジられる方なので、そこは似ているかもしれないです。 ――原作のキャラクターに寄せるためになにか大切にしたことはありますか。 板垣:薪は髪の色も難しい。原作だと明るめの色ですがリアルで考えると警察の人間なので、薪という人間自体、頻繁に美容院に行っているイメージがなかったので、地毛っぽくもあるけど原作の薪の雰囲気をきちんと踏襲しようと、実写化する上でのリアルと原作リスペクトのバランスはいろいろ考えました。 中島:原作へのリスペクトを込めて原作通りやりたいところはありますが、ビジュアル面の塩梅は難しい。制作と演者で相談し、探っていきました。折り合いをつけるというか、実際にリアルにそぐわないところは、実際にいてもおかしくないようにしていく。僕は実写化をあまり経験したことがないので、難しいと感じています。でも鈴木の柔らかさや、青木の最初はポンコツだけど鋭い着眼点を持っているところを大事にしたい。青木は優しく被害者に寄り添う。ある種、葛藤しつつもMRI捜査という第九の仕事に慣れている人がいるなかで、青木はいい意味で右往左往、一喜一憂して良くも悪くも流されているような、そのなかでも大事にしているものがあるところが、原作を読んでいても愛せるキャラクターだなと思うので踏襲していきたいです。 ――2人にこれまで接点はありましたか。 中島:まったくなくて。衣装合わせのときに僕の前が板垣さんだったので『あ、どうも』って。さっきも第一印象を聞かれたけど、難しかったです。まだ会話もする前だったので。 板垣:きょうで、やっと…ですもんね。でも作品は拝見していました。 中島:もちろんこちらも、存じ上げていますし…って感じになっちゃう(笑)。ここからどんどん敬語じゃなくなったりするのかをお楽しみに(笑) ――互いに俳優としてどのような魅力を感じましたか。 板垣:すごく優しい方なんだろうな、とオーラや持っている雰囲気で感じました。バラエティーを見ていても、時間の流れがスローな感じの方なのかな。お会いしてお話しさせていただいて、薪は鈴木の大きな包容力に出会って、関係が進むなかで拠(よ)り所にしていた部分もあると思うんですけど、その要素を持っていらっしゃる。薪として鈴木・青木に接していくところでも、中島さんの人柄に助けていただけるんだろうな、と思いました。 中島:すごく芯の通った強さ。根幹でドシッとかまえたものがある方。きょうの時点でのお仕事に対する向き合い方は。もちろんたくさん笑うしユーモアもあるけどキリッと切り替わる芯の強さは、みんなを引っ張ってくれるんじゃないか。薪は第九のみんなに強く当たりつつ引っ張っていく役なので、頼りにしちゃいそうですね。 ――こんな捜査が行われていたら怖いなとも思うのですが、2人はこの作品の面白さをどんなところで感じていますか。 板垣:やっぱりMRI捜査という、SF要素のある、現代の技術にない捜査方法はもちろん、ミステリー、事件、いろんな人間とのヒューマンドラマがあって、没入してしまう。MRI捜査自体、リアリティーのあるものではないけど、感情移入もできるし、心が動かされる。ドラマにする上で、ひとつ現実離れした要素があるからこそ芝居やビジュアルが地に足をつけないと、視聴者の方もふわっとしてしまう。原作の持っている読者を引き付ける力を、生身の役者として伝えていきたいです。 中島:実際にこういう捜査があったらすごいですよね。ギリギリ認められてそうで認められていない捜査機関ではあると思うんですけど(笑)。本人たちもそれをわかっていて、誰しも人に見られたくないものがある。過去や秘めた思い、人間誰しも持っている二面性や裏の思い。本音と建前の“本音”を追求していくと、恥ずかしいかもしれないけどそこを掘ることで、より人間の魅力がわかっていく。それが今作の魅力だと思います。人の脳を見て事件を解決していくというアイデアがすごい。原作がヒューマンドラマと両立させていることもすごいですし、境界線を大切にしながら演じたいです。 ――薪と、かつて薪が強い思いを抱いていた鈴木にうりふたつの青木という、かつてないほど切ないバディ。2人の関係性についてなにか感じたことはありますか。 板垣:薪も本当に複雑。原作で、薪が鈴木に『そんな笑顔を見せてくれるなら深夜料金くらい、いくらでも払うよ』と言われるセリフで、僕は原作を読んで泣いたんです。そうやってある種、いろんな愛情や対・人間コミュニケーションにおいて、薪の欠落した部分があるなかで、鈴木に出会い、そのとき、薪が一番求めていた言葉や求めていた人物像みたいなものを鈴木が持っていた。薪にとって鈴木は家族でも恋人でもない。友人というものでもない。なにかを超越した存在だと思います。その存在を途中で失ってしまうことは、想像を絶すること。現在に至るまでの薪の層になっている部分は細かく厚い。その繊細さは薪にとっては大事だし、自分が演じていく上でもやりがいになる場所です。 中島:青木としてもどんどん今後、薪さんの過去になにがあったのか、鈴木という人物を無謀にも知ろうとする青木が出てくる。青木なりに慮(おもんぱか)って、支えようとする。後輩なりの思いやりが出てくると思うので、一人二役は難しいですけど一貫して薪思いなところを両者ともに大事にしたい。なので、普段から板垣くんのことを観察したいです。今、大丈夫かな?疲れてないかな?って(笑)