小林海がスプリントを制し、悲願のエリート初制覇!|全日本選手権ロードレース
先頭がシャッフルし4人の決定的な逃げが決まる
11周目に集団から序盤から積極的なレースを続けてきた石上がアタック。 落ち着いていた天気だったが風が強くなってきた。そして12周目に増田がパンクにより先頭から脱落。先頭は宮崎1人となった。 パンクした後輪を交換した増田は追走の宇賀と合流するが、集団はペースを上げ始めて石上を吸収。人数も減らしていった。 13周には金子らがペースを上げる集団は追走の宇賀と増田を吸収。しかし下りで新城が落車してしまった。新城は、すぐに立ち上がってバイクにまたがり集団に追いつき、チームカーから怪我の手当てを受ける。 宮崎が先頭で14周目に入るが、集団は15秒差まで迫った。 集団は宮崎を吸収し、金子がアタック。この動きに反応できたのは小石、山本大喜、小林海の3人だけだった。これによって4人の先頭集団が形成された。 これを追いかけたのは石上、新城、石原、留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)、岡篤志(JCLチームUKYO)の5名だ。
4人での勝負はスプリントまでもつれ込み、小林がスプリントを制す
しかしこの強力な4人は、山本大喜がきつそうな表情を浮かべローテーションをパスするものの、追走との差をどんどんと広げていった。 追走からは16周目に石原が遅れ4人。岡も厳しい表情を浮かべ、18周目にはドロップしてしまった。 先頭の4人は小林や金子がジャブのようなアタックをかけるものの、4人のまま最終周へと入った。そして小石がコーナーで広がった差を利用してアタック。3人が追いつくとそのまま小林がカウンターアタックし、それには小石が反応できずドロップしてしまった。 しかし牽制がかかったことにより、残り300mで小石が追いつきそのままスプリント。それに金子が反応。しかし最後は小林がまくり初の全日本選手権男子エリートを制覇した。 2位には金子、3位には山本大喜が入った。 小林は埼玉県出身の29歳。2016年の全日本選手権U23ではロードレースとタイムトライアルの2冠を達成し、翌年にはNIPPO・ヴィーニファンティーニに加入し世界各地のレースを転戦した。コロナ禍の2020年後半に帰国しマトリックスパワータグに加入。2022年にはJプロツアーで総合優勝するなど国内のトップ選手として活躍したが、全日本選手権では噛み合わないレースが続いていた。 小林は「みんな強くてとてもキツく勝てるとは思っていなかった。4人になってからはこの4人で決まりだと思っていた。最後のスプリントを開始したときに勝利を確信した」と語った