健康に害は? パンの袋開けて飛び散る「小さな悪魔」...。マイクロプラスチック問題の実態
マイクロプラスチックはどのようにして食品に入り込むのか?
マイクロプラスチックは海にいる魚を汚染しているという話をよく聞くが、それ以外の環境にも存在する。「マイクロプラスチックは空気や水、土壌を汚染していることがわかっており、それらを介して陸生動物や植物性食品に入っている可能性があります」とミルン氏。 研究では、陸生動物と魚介類のタンパク質で大きな違いはないが、肉の代替品を使った植物性バーガーや、チキンナゲット、豆腐など加工食品に著しく多くのマイクロプラスチックが混入していることがわかっている。 「機械やベルトコンベヤー、食品が接触するプラスチックの表面、あるいは加工施設内の飛散繊維が原因であることが考えられます」とミルン氏は言う。 ミルン氏の研究で最も多くみられたマイクロプラスチックの種類は、ポリエステル製生地から生じたマイクロプラスチック繊維だった。「私たちが着る衣服にはマイクロファイバーがよく見られます。マイクロファイバーはいつでも発生しますが、特に洗濯する過程で大量に出ます。残念ながら、洗濯機の中に落ちたマイクロファイバーは水道に流れ、そこから生活環境に入ります」
マイクロプラスチックによる健康上の心配
ミルン氏によると、マイクロプラスチックが人間に与える影響はまだ明確にはわかっていない。それが、スーパーで販売されている肉など、身近な食品を調べてみた理由だ。プラスチックはポリマーや化学添加物などさまざまな素材からできていることを考えると、どのように人間に影響を与えるのかを正確に把握するのは難しい。 「私たちは実験でも現場でも、マイクロプラスチックに関連するさまざまな危険を観察してきました」と、Moore Institute for Plastic Pollution Researchの研究者であるウィン・カウガー博士は言う。ある研究では、臓器にまで侵入するマイクロプラスチックがあることがわかったという。 タンパク質に関する研究で、非常に加工された食品はマイクロプラスチック混入度も高いことが判明していることから、加工されたタンパク質を多く食べる人は、よりマイクロプラスチックが体内に入っていることが推測されるとカウガー博士は言う。
マイクロプラスチックを避けることは可能?
「私たちの研究結果は、スーパーで個人が選択することだけではマイクロプラスチック摂取問題は解決しないことを示唆しています」とミルン氏。 マイクロプラスチックは塩やはちみつ、りんご、きゅうり、じゃがいもまであらゆる食品に含まれているという。まず第一に、マイクロプラスチックによる汚染を減らすためのより大規模な取り組みを支援することが大事だとミルン氏は推奨している。
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