2024年上半期の倒産は4887件、2014年以降で最多 10年ぶりの高水準、年間1万件を視野に増加
円安、利上げ、2024年下半期も小規模事業者の淘汰進む
円安の動きが止まらない。7月3日の外国為替市場で一時1ドル=161円90銭台まで下落し、1986年12月以来37年半ぶりの円安ドル高水準となった。財務省は「急速な円安進行に深刻な懸念を有している」との認識を示しているが、日米金利差を意識した円売り・ドル買いの動きは当面続くとみられる。帝国データバンクの調査では、企業の想定為替レートは平均1ドル=140円88銭と、実勢レートとの間で20円近くの隔たりがある。企業側の想定を上回るスピードで進む円安が事業遂行面に影響を与えるほか、輸入物価の上昇を通じて企業収益がさらに悪化しかねない。 追加利上げがいよいよ現実味を帯びつつある。日本銀行が6月24日に公表した6月の金融政策決定会合の「主な意見」では、一部の政策委員が「円安は物価見通しの上振れの可能性を高める要因であり、(中略)適切な政策金利の水準は、その分だけ上がると考えるべき」と述べるなど、物価や賃上げの動向を踏まえて早期の追加利上げに前向きな意見が出された。企業向け貸出金利は足元ではすでに上昇に転じているが、これからが本番だ。今後は金利負担に耐えられない小規模事業者の倒産が、2024年下半期にかけてさらに増える可能性が高い。