97歳藤本ハルミ、大阪・関西万博のパソナグループパビリオンの制服をデザイン
パソナグループが9月3日、2025年大阪・関西万博に出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」のユニフォームお披露目会を大阪で開催した。会場にはデザインを手掛けた97歳の現役デザイナー藤本ハルミらが出席し、西陣織や友禅染など日本の伝統工芸を活かしたオートクチュールドレスのポイントを紹介した。 【画像】美しいオートクチュールのユニフォーム
日本の伝統的な着物や帯の持つ美しさや価値を次世代に引き継ぎたいという思いから、精力的な創作活動を続ける藤本ハルミは、1927年3月9日神戸生まれ。小川洋裁学院と、東京・神田駿河台にある文化学院美術部を経て、1954年に「オートクチュール・マーガレット」を神戸にオープンするなど、神戸のファッションシーンで功績を残してきた。70歳を迎えた1997年にはパリオートクチュールコレクションに参加。その後、モナコやニューヨーク、イタリアでもショーを開催し、2018年には21年ぶりにパリでショーを行った。主な受賞歴は神戸新聞文化賞、神戸市文化賞、ブルーメール賞、ロドニー賞、神戸市産業功労賞、令和元年度高齢者特別賞など。 パビリオンの準備を進めるパソナグループの代表取締役グループ代表の南部靖之氏は、藤本と同郷であることをきっかけに今回の協業に至ったという。ユニフォームお披露目会に参加した南部代表は「どなたにデザインを依頼するか考えた時に、最初に思い浮かんだのが藤本さんだった」といい、同席した藤本とともに華やかかつ繊細な美しさのオートクチュールドレスのお披露目を祝った。 新しい仕事の依頼となれば「高齢の身体を気遣わなければと思いつつ、時間が経つのを忘れて創作に没頭した」と藤本が話す今回のオートクチュールドレスは、京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行が描かれた生地や、染織家として初めて人間国宝になった三代目田畑喜八による生地など、藤本の濃い人脈を活かして集められたデザインの異なる20着を製作。藤本は、2025年の大阪・関西万博に向けて「大成功を願って、とにかく私ができることをやろうと思った」とデザインに込めた思いを語った。 藤本によるオートクチュールドレスは、大阪・関西万博のパソナグループのパビリオンでVIP接客などにあたるアテンダントが着用する。万博閉幕後は、パソナグループが進める淡路島へのパビリオン移設計画で活用される予定だ。