「光る君へ」黒木華 まひろとの対峙「モヤッとドロっと…」倫子の本音は「やっぱり夫の愛がほしかった」
俳優の吉高由里子(36)主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)は8日、第47話「哀しくとも」が放送され、黒木華(34)演じる道長の嫡妻・倫子が主人公・まひろに藤原道長(柄本佑)との関係を尋ねた。これまで不敵な笑みを浮かべながらも、嫡妻としての余裕を見せていた倫子。最終回を前にまひろの前に「ラスボス」として立ちはだかった。倫子を演じている黒木が、道長を巡るまひろと倫子の三角関係について語った。 【画像あり】 「光る君へ」名場面1位シーンの苦労話 膨大なセリフ量に「佑くんに連絡して…」吉高告白に「テスト勉強」 <※以下、ネタバレ有> 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。 黒木が考える倫子の魅力は、「聡(さと)さ+道長と子供たちへの愛情」。倫子は夫・道長を同志として支え、盤石の一族を築いた。第43話「輝きののちに」(11月10日放送)では「わたしの悩みなど吹き飛ぶくらいのことを殿がしてくださった」と伝える。ところが一転、最終回を目前にして、「あなたと殿はいつからなの?」と核心に迫った。黒木は「難しかったですね。私の中ではもう終わったことだと思っていたので」と、率直な感想を吐露した。 その上で「理屈としては凄く分かる」と、倫子に寄り添った。「改まって道長さんとの関係を考えた時に、道長の心には私ではなくまひろがいる。“出家しないで”と言っても出家するくらいに。そのことに大きく傷ついている。娘もまひろを尊敬している。道長のことを愛しているからこそ側で支えてきたし、他の女の影がいようとも正妻としてのプライドや母としての仕事を全うすることに重きを置いて生きてきたけど、いろいろな気持ちが含まれてモヤッとドロっとしたものが出てしまったのだと思います」とした。 藤原彰子(見上愛)がまひろを心から信頼していることについて、「寂しいと思います。でも自分ができなかったことも、まひろが娘のためにたくさんしてくれたことも事実。だから余計になんともいえない切なさがある」と語った。 倫子は道長とまひろの関係にいつから気づいていたのだろうか。第36話「待ち望まれた日」(9月22日放送)では、道長があ・うんの呼吸でまひろへの返歌を詠む。倫子は怪訝(けげん)な表情でその場を立ち去った。「“あーあ”って思っていると思いますね。でもそれよりも前に気づいていたんじゃないかな。たくさん贈り物をしていて怪しいし、まひろが家(土御門殿)にいるからそういう噂を耳にしていたはずですし」。 最愛の夫の意中の人がかつて自身のサロンに来ていたまひろであることについて、「いろいろ考えてしまいますよね…。自分にないものがまひろにあることは分かっている。友達のようになっていた分、つらいと思います」と、倫子の心境を慮った。 倫子の「殿と2人の時間を過ごしたい」という願いはかなわなかった。「やっぱり倫子は夫の愛がほしかったんだと思います。だからこそ、夫が目指す道のために自分にできることを一生懸命やってきた。好きな男を手に入れて、権力者にし、子供をたくさん作り、妻の役目を果たし、この時代的には大成功。ただ、一番大事で一番手に入れたかったものは手に入れられなかった人生だと思います」 だからこそ道長と心が通った瞬間が忘れられない。黒木が最も印象的だというのが、第36話冒頭の道長が彰子の懐妊を倫子に伝えるシーン。道長は息を切らしながら倫子の元へやって来る。黒木は「カットされちゃいましたけど、自然と2人で涙を流しながら抱き合った」と、幻のシーンを告白。「夫婦の道の一つのゴールを成し遂げられた。倫子と道長が通じ合っていて、倫子の思いが救われる感じがしたので、印象に残っています」と語った。 最終回でついに倫子とまひろが対峙する。取材は最終回の撮影前で、「まひろが積年の秘密を話す時にどういう感情になるのか今からすごく楽しみです」と胸を膨らませた。大らかで賢く強かな倫子を魅力いっぱいに演じてきた黒木。視聴者に倫子ファンが多いことを記者が伝えると、「あら、うれしい」と上品にほほ笑んだ。視聴者に向けて、「どんな見方をしてくださっている方にも楽しんでいただけるような最終回に向けて進んでいく。倫子様の生き様を見ていただけるといいなと思います」と呼びかけた。