当座預金なら1000万円を超えても「預金保護」されるらしいので、母の預金3000万円を移したいのですが、どのように口座を作るのでしょう? 手続きは難しいのでしょうか?
万が一銀行が破綻した場合、預けていたお金がどうなってしまうのか、不安になるかと思います。本記事では「預金保険制度」と、その制度の対象となる当座預金について解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
預金保険制度とは
預金保険制度とは、万が一金融機関が破綻したときの預金者などの保護や資金決済の履行の確保を目的とした制度です。全ての金融機関や預金が制度の対象となるわけではないことに、注意が必要です。 ■預金保険制度の対象となる金融機関は? 預金保険制度の対象となる金融機関と、対象とならない金融機関は、図表1のとおりです。 図表1
(注1)農林中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合などは、預金保険制度とは別の「農水産業協同組合貯金保険制度」という保護制度に加入している (注2)保険会社については預金保険制度とは別の「保険契約者保護機構制度」という保護制度に加入している (注3)証券会社については預金保険制度とは別の「投資者保護基金制度」という保護制度に加入している 出典:金融庁・預金保険機構「預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み」より筆者作成 ■預金保険制度の対象となる預金は? 預金保険制度の対象となる金融機関に預けていても、全ての預金が制度の対象となるわけではありません。預金保険制度の対象となる金融商品は、図表2のとおりです。 図表2
出典:金融庁・預金保険機構「預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み」より筆者作成 ■預金保険制度で保護される範囲は? 預金保険制度で保護される対象の預金であっても、保護される金額は、預金の分類によって異なります。 図表3
出典:金融庁・預金保険機構「預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み」より筆者作成 全額保護の対象となる当座預金のような「決済用預金」として分類されるには、以下の3つの要件が全て満たされている必要があります。 ●引き落としなどができる口座である ●預金者が払い戻しをいつでも請求できる ●利息が付かない 一方で、一般預金などは保護の範囲に制限がありますが、1000万円を超える部分については、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされる可能性があります。 なお、預金者が破綻金融機関に借り入れなどを行っている場合は、必要な手続きを踏むことで、預金と借入金を相殺できる場合があります。例えば、一般預金で1500万円の預け入れと500万円の借入金があった場合、保護の範囲を超える500万円と借入金500万円を相殺することで、一部カットされるのを防ぐことができます。