当座預金なら1000万円を超えても「預金保護」されるらしいので、母の預金3000万円を移したいのですが、どのように口座を作るのでしょう? 手続きは難しいのでしょうか?
当座預金とは
預金保険制度で全額保護対象となる「当座預金」は、主に手形や小切手の決済用に、企業や個人事業主が使用する、事業用の口座です。当座預金は図表4のようなメリット・デメリットがあります。 図表4
筆者作成 また、当座預金を利用する際は、口座開設手数料や小切手発行手数料、代金取立手数料(小切手を現金化する際に発生する手数料)などが発生する可能性があります。 ■当座預金の開設手続き 当座預金を開設するためには、金融機関から求められる必要書類を用意し、場合によっては当座預金を利用する目的や事業内容などの確認のために、金融機関の担当者との面談を求められることがあります。そのうえで、提出した書類をもとに、金融機関で審査が行われます。審査に通ることで、当座預金の開設が可能となります。 ■個人が当座預金を開設できる? 当座預金を持つ目的は、主に事業で決済に利用することであり、また口座開設には審査もあることから、一般的には個人向けには提供されていない場合が多いです。そのため、事業の決済で使う予定がないのであれば、個人が当座預金を開設するのは難しいといえるでしょう。
個人の大口の預金を保護する方法
当座預金の利用は不向きな個人が、1000万円を超えるような大口の預金を保護するためには、次のような方法が考えられます。 ●利息の付かない普通預金(決済用普通預金もしくは無利息型普通預金など)を利用する ●1つの金融機関への預け入れが1000万円以下となるように、複数の金融機関に分散させる ●個人向け国債などといった、元本割れの心配がない金融商品を購入する 「決済用普通預金」や「無利息型普通預金」と呼ばれる利息の付かない普通預金は、個人でも開設できる預金です。当座預金の開設と違い、通常の普通預金(利息の付く普通預金)と同じように、審査なしで開設できます。通常の普通預金との違いは、「利息が付くか付かないかだけの違い」と考えて差し支えありません。 また金融機関によっては、通常の普通預金をすでに持っている場合、それを利息の付かない普通預金に切り替えることも可能です。この場合、切り替えの際に200円の収入印紙が必要になりますが、「口座番号が変わらず、利用していた通帳やキャッシュカードもそのまま使える」といったメリットがあります。
まとめ
当座預金の開設には審査などがあることから、個人が利用するにはハードルが高いといえるでしょう。個人が大口の預金の保護を検討する場合には、複数の金融機関に預金を分散させることや、利息の付かない普通預金や個人向け国債など、元本割れの心配のない金融商品の利用を検討するようにしましょう。 出典 金融庁・預金保険機構 預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み 執筆者:小山英斗 CFP(日本FP協会認定会員)
ファイナンシャルフィールド編集部