日本だけって意識をしていない――「アイドル」が大ヒット、プレッシャーも抱えるYOASOBIの視線の先
なぜ「アイドル」はここまで海外でも受けたのだろうか。 「もちろんアニメや時代性、SNSでフォロワー数の多い人が発信してくれたこともあると思うんです。でも、『海外を意識した、意識してない』とかというよりかは『日本だけって意識をしていない』っていうイメージです。今までのレジェンド的なアーティストたちは、どこを市場のメインにするかを断定しないといけなかったけれど、サブスク時代にもなったし、SNSもYouTubeもみんなシームレスで世界中で見られる状態にあるからこそ、別に市場を断定せずとも活動できるようになった。日本にだけ意識を向けているわけじゃないことが、楽曲の強度だったり、僕らのパフォーマンスの評価とちゃんと結びついた結果として、広まってくれたのかなって思うようにしています。もちろん裏ではスタッフが知恵を練ってやってくれている作戦もあると思うし、現地のメディアの取材を受けるとか、すごく小さなところからの努力もあるはあるんですけど、根本的には商品が良かったって思っています」(Ayase) では、「曲が良い」とは、どう判断しているのだろうか。 「僕は本当にメロディーオタクなので。僕がかっこいいと思っているメロディーと、かっこよく録れた歌声と、かっこいいと思えるアレンジが、まず楽曲全部のパッケージですよね。その組み合わせとしてできあがったものを、『いい曲だな』って自分が思うかどうか。これはもう感覚の問題なので、ちょっと難しいですけど、自分の感覚と時代がマッチしたっていう感じなんだろうなとは思います。現実的には、タイアップや時代の流れ、別のアーティストの動きも絡んでくるので、そういうタイミングと、自分らの今できる最高傑作がうまく噛み合ったという感じなんでしょうね」(Ayase) 「私たちが世界に向ける用に曲を作ってなくて、『アイドル』もそうですけど、J-POPをしっかり突き詰めて、一番かっこいいJ-POPを私たちでやる、っていうことが芯にあるからだと思います」(ikura)