PGAツアー1年生・久常涼 「ボクは亀なんでコツコツと」/単独インタビュー後編
「ボクは亀なんで」コツコツと
久常は今週、欧州ツアーから再び米国に戻り「サンダーソンファームズ選手権」からPGAツアーに復帰する。「(秋季シリーズで)勝てたらうれしいですね。勝てなくても、残りの試合で来年勝つための準備になるような戦いをしたい」と狙いは明確だ。 「来年は必ずPGAツアーで優勝して、世界ランキング50位以内に入るだけでなく、最後のプレーオフシリーズにも行きたい」。ことしあと一歩のところまで迫ったプレーオフシリーズ。その入り口が垣間見えたからこそ、是が非でもそこに入り込みたい。「もちろん来年もまたマスターズに出たい。メジャーはツアーで良い結果が出れば、出場できるものだと勝手に捉えている。まずはツアーで勝つことが優先。優勝すればそこも見えてくる」 しっかりとした目標を見据えている久常だが、口ぶりに焦る様子がないから不思議だ。「焦っても仕方ないんでね。足りないもの全てを同時進行でコツコツとブラッシュアップしようと思っています。“一気飛び”は考えていません。今までが100%だとしたら、来年は105%くらいに」と、ほんの少しだけギアを上げるつもり。無理にアクセルは踏まない。着実に階段を上ってきた男の言葉は妙に説得力がある。
インタビューの後、「ボクは亀なんで大丈夫っすよ。のんびり屋なりに地道にやっていきます」と言い残してトレーニングに向かっていった久常。「もう少し体を強くしないと外国人に勝てない」と、その必要性を感じたようだ。 亀は最終的にウサギを追い抜く昔話がある。果たして彼は頭にどういう結末を描いているのだろうか…。 協力/瑞陵ゴルフ倶楽部
服部謙二郎