【天皇賞・秋】武豊ドウデュース復活！レース史上最速上がり32秒５「倍速で走っているよう」
＜天皇賞・秋＞◇27日＝東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走15頭 府中に「ユタカコール」が帰ってきた。武豊騎手（55）騎乗の2番人気ドウデュース（牡5、友道）が大外一気でG1・4勝目を挙げた。勝ち時計は1分57秒3。レース史上最速の上がり3ハロン32秒5の末脚を駆使して、後方2番手から差し切った。 【写真】天皇賞・秋を制し、喜ぶ武豊騎手と友道師 レース当日の負傷で乗り替わりとなった昨年の悔しさを結果で晴らした。次戦はジャパンC（G1、芝2400メートル、11月24日＝東京）。年内引退まで無敗のまま走り続ける。 ◇ ◇ ◇ 突き抜けた。ドウデュースと武豊。最強タッグが府中に帰ってきた。1000メートル59秒9。遅い流れで先行有利は明らかな中、後方2番手で機をうかがった。武豊騎手は「前につけるプランは全くなかった」と回顧した。末脚に懸けていた。信じていた。「これしかない」。刻んだ上がり3ハロン32秒5はレース史上最速。「ダービーの3、4角を思い出すような手応えでした」。小さく突き上げた1本指に、最強への思いが乗った。 不退転の覚悟に馬が応えた。「絶対に結果を出さないといけない」。すでに年内引退を表明済み。ドバイターフ5着、宝塚記念6着と連敗を喫し、真価が問われる秋だった。レース後、鞍上は「倍速で走っているような感じでした」と本来のドウデュースを例えた。1週前追い切りに騎乗し、春に感じた馬っ気の強さが和らいだことに成長を実感。「春2戦で悔しい思いをしたのでスカッとしました。一段と強くなった」と深い笑いじわをつくった。 うれしさ爆発は、自身の不運を晴らす勝利にもなった。歴代最多タイの秋盾7勝目。昨年はレース当日に負傷し、松葉づえ姿で7着敗戦を見届けていた。「昨年は僕自身も悔しい思いをしましたし、今日は朝から気を付けていました。ホントにすごい馬だとあらためて思いました」。内を選んでしまい伸び悩んだ宝塚記念から一転、この日は外差しにこだわった。2歳時の朝日杯FSから4年連続のG1勝利。相思相愛に導かれた偉業だ。 次戦のジャパンCでは日本馬の大将格としてオーギュストロダンなどを迎え撃つ。「多くても2戦。馬をケアしてパフォーマンスを維持させるスタッフはさすが。いいラストシーズンにしたいですね」と意気込む。ユタカコールによって祝福された人馬がともに走るのは、あと2戦。有馬記念まで連勝で突っ走る。【松田直樹】 ◆ドウデュース▽父 ハーツクライ▽母 ダストアンドダイヤモンズ（ヴィンディケイション）▽牡5▽馬主 （株）キーファーズ▽調教師 友道康夫（栗東）▽生産者 ノーザンファーム（北海道安平町）▽戦績 15戦7勝（うち海外3戦0勝）▽総獲得賞金 12億7289万3800円（うち海外2239万6800円）▽主な勝ち鞍 21年朝日杯FS（G1）22年ダービー（G1）23年京都記念（G2）有馬記念（G1）▽馬名の由来 勝利目前（する＋テニス用語）
