大企業ではなく、中小企業の賃上げを促す政策が必要 1月の消費者物価指数、上昇が低水準に
テレビ東京・解説委員の山川龍雄が2月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。1年10ヵ月ぶりに低水準の伸びとなった1月の消費者物価指数について解説した。
1月の消費者物価2.0%上昇、伸びは1年10ヵ月ぶりの低水準
総務省が2月27日に発表した1月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が106.4となり、前年同月比で2.0%上昇したが、伸びは3ヵ月連続で縮小した。上昇率は2022年3月の0.8%以来、1年10ヵ月ぶりの低水準だった。 飯田)家庭で消費するものや、サービスの値動きを見る消費者物価指数ですが、伸びが鈍化してきたと言われています。
インフレの主役が交代し、サービス価格の上昇はまだある
山川)「インフレの主役が交代してきた」という印象ですね。ものの値段よりも、どちらかと言うとサービス価格の方がまだ上昇を続けています。サービス価格とは、例えば物流やタクシー、あるいは教育産業の塾など、人の手がかかっているものです。それらの上昇がまだあり、「賃金上昇を伴ったインフレ」につながっている。日銀は普段から「サービス価格がどうなっているか」に注目しているのです。 飯田)市場予想は1.9%(上昇)だったので、少しだけよかった形です。為替も変動したと言われますが、強い状態なのですか? 山川)必ずしも強くはないですね。本当に微妙な線上にあります。アメリカのように、「利上げしてもインフレ退治がなかなか終わらない」というような状況ではありません。日銀は一応、目標を2%に置いていますが、かろうじて2%を超えているような状態です。ただ、燃料価格や材料費の上昇に伴ったコストプッシュ型の悪いインフレではなく、サービス価格を中心に、賃金上昇を伴ったよいインフレになってきたかなと思います。 飯田)特にサービス業は、パートや非正規雇用も多い。そうすると賃金への跳ね返りも早いのですか? 山川)人件費の構成比が高いのと、サービス産業の方が賃金水準は低いですから。インバウンド需要もあるので、どんどん値上げし、その分をきちんと賃金に還元しなければいけない業種です。