【特集】オーストラリアへ嫁いだ『戦争花嫁』 ふるさとで迎えた90歳の誕生日 広島・呉市
戦後、外国人兵士と結婚し、海外に移り住んだいわゆる『戦争花嫁』は、日本からアメリカへはおよそ4万5千人、オーストラリアへはおよそ650人が嫁いだと言われています。2025年、終戦から80年を迎えます。『戦争花嫁』も高齢になりました。そんな中、オーストラリアから里帰りし、家族とともにふるさとで迎えた90歳の誕生日を迎えた女性に密着しました。 【動画】オーストラリアへ嫁いだ戦争花嫁 ふるさとで迎えた90歳の誕生日
ふるさとで家族と迎えた90歳
11月2日。片山みす代さんは90歳の誕生日を迎えました。 ■片山みす代さん 「こういう誕生日、生まれて初めて。今度は100まで生きて、また長浜に来たいですけどね。」
広島県呉市広で開かれたバースデーパーティーでは、みす代さんの子や孫らがお祝いの席を囲みます。この日のためにみな、オーストラリアなど海外から集まりました。ここは、みす代さんが生まれ育ったふるさとです。
家族とたどる思い出の場所
誕生日前日。みす代さんたちの姿はJR広駅にありました。雨の中、向かったのは、長浜地区にあるみす代さんの母校の小学校です。 ■長男・ケンさん 「当時と同じものはある?」 ■片山みす代さん 「ないわ。かつては、木造の建物だったのよ。」 ■長男・ケンさん 「木造だったんだ!」
穏やかな瀬戸内の海に面した広島県呉市広長浜で、みす代さんは1934年に6人兄弟の3番目として生まれました。 ■片山みす代さん 「私は学生時代、とっても恥ずかしがり屋だったの。」 ■長男・ケンさん 「今は違うよ!」 ■長女・イーレンさん 「ウソばっかり!信じられない!」
子どものころから、歌を歌うことが大好きだったというみす代さん。小学校の卒業名簿が残っていました。 ■片山みす代さん 「私の名前だわ。何人ぐらい残っているのかな、私の同級生。」
さらに中学校では、サプライズが用意されていました。全校生徒が集まって、歓迎の会を催してくれたのです。落語や合唱を鑑賞し、みす代さんにとっても、家族にとっても特別な体験となりました。 ■片山みす代さん 「本当に涙が出そうでした。まさか、この度こういう歓迎をしてもらえると思わなかったんで。」