ガチャだけどハズレなし。 KURAND が「酒ガチャ」で生み出す、消費者の期待を超える購入体験
期待値を超える商品がUGCを増やす
DD:ユーザーの自発的な投稿が多いのも、「酒ガチャ」の特徴ですね。 河端:キャンペーンや特典目当てにソーシャルポストするのではなく、期待値以上の商品が届いたという嬉しさでお客さまが自発的にあげてくださっていることは、重要だと思っています。期待値を超えたからこそ、お客さまの本音や熱量のある投稿となり、それを見た人が次のお客さまになり得る可能性があります。 「こんないい商品が当たった!」という誰かの投稿から、別の誰かによる「自分もこんな商品当たってほしい」という理想的なサイクルがSNS上で成立しているのが、「酒ガチャ」の魅力のひとつだと自負しています。 DD:誰かに共有したくなる仕組みが整っているということですね。 河端:当たりの商品を期待値以上のものにするのももちろんですが、常にお客さまが欲しいと思う商品を並べておくことができるかどうかも重要です。毎月30商品程度は新商品を開発し、スピード感を持って新しいものを販売することで、お客さまが新しい商品と出会う機会を増やせています。いまでは500種類以上の商品を取り扱うまでになりました。 新しく出会う商品は珍しく、自ずとアップしたくなります。また、同梱物としてリーフレットを入れていますが、これにもちょっとした工夫をすることで、商品と一緒に写真を撮りたくなるような仕組みを構築するなど、とにかくUGCを増やす仕組みを整えて、それを見た人が新たにお客さまになる循環をいかに実現するか、を重視しています。 DD:河端さん自身は、お酒をどのようなものだと捉えていますか。 河端:1年半海外を旅行していたときがあるのですが、その際に言語が通じなくても、お酒がコミュニケーションツールの役割を果たしていると感じました。英語が流暢に話せるわけでもなく、英語が通じない場所を訪れたときでも、お酒が「共通言語」だったんです。 そのとき、コミュニケーションの媒介としてのお酒の力はすごいと改めて感じました。今後は日本だけでなく世界中の造り手と連携し、世界にマーケットを展開していきたいと思っています。 DD:お酒だけでなく、「酒ガチャ」というサービスもコミュニケーションを生むきっかけになりそうですね。 河端:基本的には自分用に購入される場合が多いですが、ギフトとしてもご利用いただけるよう期間限定の企画なども用意するようにしています。普段はあまり会話がない父親と、父の日のギフト商品の面白さや珍しさでコミュニケーションが生まれる、ということがあるかもしれません。 贈った側が遠方に住んでいても、受け取った家庭で会話が生まれるという展開もありますね。こういったコミュニケーションを生み出せる「酒ガチャ」を提供していきたいと思っています。 Written by 坂本凪沙 Photo by 三浦晃一
坂本凪沙
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