小西桜子26歳が振り返る“異色のキャリア”。「無名俳優だった」大学生がカンヌ国際映画祭に参加するまで
インターネットにあることがすべてだとは思わない
――小西さんは、もともとInstagramでの発信が芸能活動へと繋がっていったとか。SNSは今も続けていますね。 小西:発信することや表現することが好きなんです。 ただ、いまの私は一番に役者であって、観てくださる方にも役として見ていただきたいので、パーソナルな部分を出し過ぎても変なノイズになってしまうかなとは思っていて、その塩梅は意識しています。 SNSをまったくやらない役者さんもいますし、そうしたスタンスに憧れもあります。ちょっとミステリアスな俳優さん。でも今は時代が変わって、私たち世代はSNSが日常だし、知っていただくきっかけになって、それがお芝居の仕事につながることもある。 ちょうどいいバランスを目指しながら、ひとりでも多くの人にいいなと思ってもらえるような表現をしていけたらと思っています。 ――個人としての利用で気を付けていることはありますか? 小西:インターネットにあることがすべてだとは思わないようにしています。当たり前のことやいい事って、あまり言わなかったり目を向けられなくて、悪い情報やセンシティブなことのほうがどうしても広がりがちなので。 SNSの評判だけに捉われずに、自分の目で見て判断したいと思います。
出演作『ありきたりな言葉じゃなくて』は予想できない展開
――現在、映画『ありきたりな言葉じゃなくて』が公開中です。小西さんは、脚本家デビューが決まったばかりの主人公・拓也(前原滉)の前に現れ、その後、いきなり姿を消す女性・りえを演じています。オファーを受けたときは? 小西:責任を持ってきちんと向き合って、みなさんと一緒に作り上げたいと思いました。 りえは、物語の重要な役回りを担う、いろんなことのきっかけになるキャラクターです。拓也が、りえと出会って、また周りとの関わり合いでどう変わっていくのか。 物語は拓也の視点で進むので、りえの明かされていない部分が、後半わかって一変します。予想できない展開を、私も楽しみながら脚本を読みました。 ――確かに物語の展開におどろきました。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、りえを含め、“心の傷”が描かれる物語でもあります。 小西:りえの行動について話していたとき、「りえの気持ちが分からない」という人もいました。もちろんそうした人もいると思います。でも実際に彼女の取った行動は別として、私はりえの気持ちがすごく分かりました。