女優・奈緒が、藤ヶ谷太輔と“試行錯誤”「婚活アプリ」から始まる、30代のリアルな恋愛観
藤ヶ谷太輔さん演じる架に感じる「愛おしさ」
――真実のお相手・架のことはどうご覧になっていましたか? 架くんはすごくいい人、魅力的な人だなと思います。とにかく性格がいいというか、計算高くない人なので、自分が不器用なことにもあまり気づいていなさそうな…(笑)。ちょっと抜けている部分も、架くんの魅力だと思います。 人生の中で人から好かれることも多かっただろうし、そして地位や築き上げてきたものもあるから、周りからするとあまり苦労せずに生きてきた人に見えるかもしれない。けど「満たされているからこそ生まれてきた悩み」みたいなものが架くんの中にはあるんじゃないかなと思うんです。 自分自身がどこに向かっているのかとか、自分の選択がわからないみたいなことは、真実と架くんにすごく共通している部分なんですよね。全然違う二人に見えて、二人の実は一致している部分みたいなものが、私は見ていてすごく面白いなと思いました。 ――架を演じたのは藤ヶ谷太輔さんでした。藤ヶ谷さんの架っぷりはいかがでしたか? すごくぴったりだと思いました。藤ヶ谷さんご自身も、架に対してすべてじゃないにせよ「自分じゃないかって思う」というぐらいシンパシーを感じる瞬間もあったそうです。お芝居する中で「わ、架くん、こういうところが抜けてたんだ」とか「こういうところを真実は不安になってしまったんだ」と気づきがたくさんありました。 そうした部分こそ、実は架くんの“善良さ”だと思うんです。架くんがすごくピュアで善良で計算もしないから、真実の計算にも気づかない。気づいてほしいことに気づかないのも、架くんがすごくいい人だからなんだなあって。 藤ヶ谷さんご自身もとても優しい方ですし、ちょっと抜けている部分もあって(笑)、藤ヶ谷さん自身が本来持っている魅力すべてが、架くんとしてみんなが「愛おしいな」と思うエッセンスを加えてくださっていたと思います。
親友も婚活アプリきっかけで結婚しました
――今回真実の役作りのために普段しないことをする、例えば婚活アプリをのぞくなどはありましたか? プラスアルファでしたことは、特になかったです。というのも、それぐらいマッチングアプリや婚活が、周りでは普通なんですよね。今の時代に響くお話だなと思っていたので、監督や藤ヶ谷さんとお話していても、すぐに「ああですよね。こうですよね」と弾むくらいでした。実は、私の親友も婚活アプリきっかけで結婚したんです。だから、親友が今の旦那さんと出会うまでの話もずっと聞いていましたし、リアルだなあって思っていました。 ――身近な方の体験は作品づくりにも活きたのでは。 そうなんです。例えば今までアプリで何人ぐらいの人と会っていて、それが多いのか・少ないのかなど、実際に使っていないとわからないですよね。人によって感覚はいろいろ違うと思いますが。だから、みんなで「これって今まで何人ぐらい出会ってるのかな?」、「何人ぐらいが多いと思う?」などとすごく話し合ったりしました。そうした話し合いの内容は、確かにこの作品ならではだったかもしれないですね。