女優・奈緒が、藤ヶ谷太輔と“試行錯誤”「婚活アプリ」から始まる、30代のリアルな恋愛観
清廉潔白な人物から共感に遠く及ばない人物まで、どんな作品・役柄でも自在に乗りこなしてしまう俳優の奈緒さん。相次ぐ出演作品の中でも、情報解禁時から話題を集めていたのが藤ヶ谷太輔さんとW主演を務める映画『傲慢と善良』の坂庭真実役。真実という危うさをはらんだ人物に丁寧に向き合い、生身の人間としてスクリーンに誕生させた奈緒さんに、お話を伺いました。 【画像】女優・奈緒が、藤ヶ谷太輔と “試行錯誤”「婚活アプリ」から 始まる30代のリアルな恋愛観 映画『傲慢と善良』あらすじ 「2023年、最も売れた小説」として知られる辻村深月さんの原作を映画化した同作は、マッチングアプリで出会い交際を始めた、架と真実の物語。婚約直後に真実が突然失踪し、彼女を探すうちに架は真実のパンドラの箱を開けていくことになる。架と真実の恋愛のゆくえ、真実に一体何があったのか…。ミステリーの要素を主軸に置きながら、人間のうごめく情念とそのドラマティックさの濃淡を堪能できる。
婚約直後に謎の失踪…真美を演じるうえで大切にしたこと
――『傲慢と善良』では、親の敷いたレールの上で善良に生きてきたけれど、架との婚約直後に謎の失踪を遂げる真実を演じました。取り組む上で、大事にしたことは何でしたか? 真実を演じるうえで大切にしようと思ったことは、彼女の行動が「善か? 悪か?」みたいなところを、あまり自分でタッチしないようにしようと心がけていました。もしも悪だと思ってしまうと、どこかで、そう見えないようにとか、あるいはそう見せようという思考が生まれてしまうと思ったので。そこはフラットに、なぜ彼女がそう思うのか、なぜそういう行動をしたのかを理解することだけに力を注ぎたいなと思ったんです。判断しないことに気をつけていました。 ――真実はどんな人物だと奈緒さんは感じていたんでしょう? 怖がりで大胆な人だな、と思います。人からどう見られるかということをすごく気にしてずっと怖がっていますし、婚約者の架くんからもどう見られているのか、彼からの評価を気にしているところがあって。人からどう見られてるかというイメージと、自分がどうしたいかというところの間で、すごく苦しんでる人に思えました。 それでいて行動とかはすごく大胆なんですよね、パワーとか熱量もすごく持っている人で。彼女が本当の自分を見つける、みたいなことが最後のゴールになればいいなというのが、私の中では少しありました。