初心者の投資はリスクが少ないコツコツ型で!「正しく知り、なるべく早く」がポイント
物価が高騰している今、ただ支出を抑えて節約しているだけでは、目標の貯蓄額への道のりは遠いもの。「怖い」「分からない」「難しそう」と、これまで投資を遠ざけてきた人も、今やお金を貯めるために避けては通れません。 【画像で見る】2024年スタートした新NISA。いままでのNISAとの違いは? 今回は、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに、なぜ投資が必要なのか、どう始めればいいのか、投資の基本をレクチャーしてもらいました。着実にお金を増やしていくために、これからはプチ投資にも挑戦しましょう。 教えてくれたのは▶横山光昭さん 家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、株式会社マイエフピー代表取締役。家計の問題を根本的に解決するアドバイスが人気で、雑誌やテレビなど多方面で活躍中。『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)など著書多数。 ■お金の価値が落ち貯金だけでは将来のお金が足りなくなるのが現実 最近は、あらゆる場所でNISAやiDeCoといった投資についての話題を目や耳にすることが多くなっています。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんも、「インフレ時代の今、ものやサービスなど全般の価格が確実に上がり、これからは投資をしないと将来のお金が足りない状況になっていく」といいます。とはいえ、投資は怖い、お金がある人がやるもの、などと感じて消極的な人も多いのでは? 「女性は特に日常的に買い物をするので、物価が高い、価格は同じでも内容量が減ったと、ヒシヒシと感じているはず。その時点で、お金の価値が下がっている、ということに気づかないといけません。収入を増やし節約をしても、銀行預金だけでは金利が低いため、物価の上昇に負けます。インフレ対策にはやはり投資しかありません。やるか、やらないか、と選択を迫られている今、やらないとデメリットしかないんです」 ■正しい知識があれば投資は怖くない! 「投資といってもさまざまな種類があり、株式投資やFXは大きな利益は出ることもありますが、不確実性も大きく、充分な経験や知識がないと失敗することも」と横山さん。では投資初心者は、どうしたらいいのでしょうか。 「短期間で大きな利益を得ようとするのではなく、今あるお金に働いてもらって、コツコツと増やしていくことが大事。そこでちょうどいいのが投資信託です。1つの商品で株式や債券といった複数の投資対象や銘柄に投資できるのが特徴。大きなリターンはないけれどリスクも抑えられているので、投資初心者にぴったりです。新NISAやiDeCoでやれば利益に税金がかからず、お得に始められます。まずは正しく知り、なるべく早く始めるのがおすすめ」 ■始めるなら税制優遇のあるNISAとiDeCoから! 2024年1月からNISAの新制度がスタート。iDeCoと同様に税制優遇があるのが特徴ですが、その違いや選び方、さらに長期で運用するときの心構えなど、改めて横山さんに教えてもらいました! ■まずは違いを知っておこう 自由な目的に備える新NISA 18歳以上なら職業や収入に関係なく加入でき、生涯投資枠は1800万円。2024年に新制度に変わり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のそれぞれで商品が購入できます。 「以前は非課税保有期間が決められていましたが、新制度は無期限に。iDeCoと違っていつでも出金できるので、教育費用や、家、車を買うなどの出費に備えるにはNISAが◎」 老後資金に備えるiDeCo 「個人型確定拠出年金」のことで、掛金を拠出(投資)し、投資信託などで運用して資金を形成する私的年金制度。加入条件は20歳以上65歳未満の国民年金被保険者。 「原則60歳まで出金できませんが、老後資金をしっかりと確保し、公的年金だけでは足りない部分を補うことができます。さらに掛金を所得から控除でき、節税効果はNISAより大きいというメリットも」 ■投資に回すお金はどうする? 現金の貯蓄は生活費の7.5カ月分あればよし 病気やケガで一時的に収入が途絶えるなど、何かあったときのための生活費として、現金は備えておきたいもの。「目安としては、最低でも毎月の生活費の7.5カ月分は、銀行預金に入れておくと安心。もしそれ以上の貯蓄があり、すぐに使う予定がない場合は、投資へ」 貯蓄は先取りして投資に振り分ける 「貯蓄は毎月余ったお金を貯めていくのではなく、先取りすることが大事。まずは家計を見直してお金の流れを把握し、毎月どのくらい貯蓄できるのかを割り出します。その中からいくらなら無理なく投資を続けていけるのか考え、NISAやiDeCoへ振り分けて」 まずは少額からでOK! 「貯蓄が充分でなければ、NISAは毎月1000円から積み立てていき、余裕ができたときに金額を増やせばOK。なるべく早く始めて、長期間運用したほうが資産が成長していきます」 ※この記事は2024年12月時点の情報です。 ※投資は元本割れすることがあります。よく検討のうえ、自己責任で行なってください。 * * * インフレが続く今、支出を減らすだけでお金を貯めるのは難しい...。みなさん、ひしひしと実感していますよね。税制優遇もあり少額から始められるので、2025年は投資に一歩踏み出してみませんか。 イラスト/髙栁浩太郎 文=徳永陽子