年収1,000万円超えの「勝ち組」たち…「住みたい街ランキング」に見えた切ないリアル
手取り50万円「住みたい街」で豊かな暮らしはできるか
厚生労働省のレポート「令和5年 賃金構造基本調査」によると、日本の「課長」職の平均給与(所定内給与額)は49万800円(平均年齢49.2歳、平均勤続年数20.9年)。課長クラスでも年収1,000万円の壁は遠い。 年収1,000万円の場合、平均的な賞与、4ヵ月分をもらっているとすると、月給は62万5,000円ほど。手取りは50万円弱といったところか。 手取りの2割~3割程度を家賃に費やすとすると、支出できる金額は10万円~15万円ほど。『年収1,000万円超えプレイヤーが選んだ「住みたい街ランキング」』上位の街で該当する物件を見てみると、赤坂や六本木では30平米のワンルームマンションが並ぶ。 そのほか1LDKの物件なども検討範囲の金額で探すことができるが、やはり築古だったり、駅から遠かったりと難点が見受けられる。年収1,000万円超えプレイヤーの住みたい街では、単身者には申し分ない生活ができるといえるが、2人以上の世帯となるとなかなか厳しいかもしれない。 ちなみに、賃貸ではなく、持ち家で!と考えた場合。赤坂3LDKで見てみると、中古でも2億円はくだらない物件がちらほら……。年収1,000万円でも予算オーバーといえよう。 日本のサラリーマンで、いわゆる平社員の平均給与(所定内給与額)は29万1,100円(平均年齢41.2歳、平均勤続年数10.6年)である。 平均年収に比べればはるかに高給取りであることは間違いないが、日本は累進課税制度。年収1,000万円の場合、年間の手取り金額は720万円ほどとなる。ここから住宅ローンに子どもの教育費……と出費がかさめば、手残りはわずかになってしまう。 さらに、老後に向けた資産形成の必要性も叫ばれている昨今。「年収1,000万円超のお金持ち」たちの暮らしは、案外素朴なのかもしれない。
THE GOLD ONLINE編集部