〈脳を若返らせる5つの生活習慣〉成功したことや幸せだったことをくり返し回想…一生ボケないためには「スマホから離れ」「最低6時間睡眠」
(3)夜の睡眠時間を最低6時間以上とろう
睡眠は心身を休ませるためだけのものではありません。脳を休ませると同時に、記憶を定着させる働きもあります。生活習慣病の予防にも役立ちます。 睡眠に問題がある人はそうでない人に比べて認知症全体の発症リスクが2.4倍、アルツハイマー型認知症の発症リスクは2.92倍になるという論文があります。また、アルツハイマー型認知症の原因の一つであるアミロイドβタンパクは深い眠りに入ったときに除去されるという研究結果もよく知られています。それだけ睡眠は認知症予防に大きな役割を果たしているのです。 仕事や家のことで忙しい時期はあるかもしれません。それでも睡眠時間だけは脳のためにしっかり確保することをぜひ習慣づけてください。時間の目安は最低6時間以上。昼寝はしなくても大丈夫です。日付が変わる前にベッドに入り、6時間以上寝るようにしましょう。 年齢を重ねるとともに夜中に目が覚めたり、トイレに起きたりする方もいると思います。しかし、それは当然のこと。睡眠が細切れになることを過剰に気にする必要はありません。またベッドに戻って寝ればいいと割り切りましょう。
(4)小さな楽しみをたくさん持とう
脳が老化してくると思考の幅が狭くなり、新しいことにチャレンジするのが億劫になります。大勢の人との交流を好まなくなったり、常識や経験に頼り過ぎて若い世代の意見を聞かなくなり、思考がワンパターンになったり……。こういう人は認知症になりやすくなります。 脳を活性化させるために、好きなこと、好奇心を持ち続けられることをできるだけたくさん見つけましょう。それを起点に人間関係も自然と広がります。新しい経験や知識は脳に刺激を与え、活性化を促してくれます。 たとえば趣味が「旅行」だけだと、体調が悪かったり、コロナ禍のようなことが起こったりするとまったくできなくなる恐れがあります。「趣味」というほどのものでなくていい、些細なことで構わないので小さな楽しみをたくさん持つようにしてください。 好きなことを見つけるときにおすすめなのが、昔好きだったことや興味のあったことから掘り起こすことです。子どものころに昆虫採集が好きだった方は、昆虫の本を読んでみたり、昆虫をテーマにブログを書いたりしてみてはどうでしょう。 若いころに人気だったアイドルに熱中していた人は、新たなアイドルを見つけて「推し活」をしてみてもいいかもしれません。楽器をしていた人は、それを再開してもいいでしょう。 シニアになってからまったく新しいことにチャレンジする方もいます。それはとても素晴らしいことですが、長続きする人は残念ながらそれほど多くないようです。高い目標を掲げてうまくできずに挫折感を味わうより、若いころに好きだったことを再度やってみるところから始めることをおすすめします。 自分の中に何もしたいことがないという方は、ボランティア活動をしてみてはどうでしょうか。若い方から年配の方までさまざまな世代が集まって人のためになる活動をいっしょにすることで充実感を味わえます。ボランティア団体は地域に必ずといっていいほどありますから、調べてみましょう。