【阪神JF展望】米国馬メイデイレディがデットーリと参戦!日本勢はブラウンラチェット筆頭に粒ぞろい
[GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ=2024年12月8日(日曜)2歳牝、京都競馬場・芝外1600メートル] 近年は凱旋門賞やドバイに限らず日本馬の海外進出が活発だが、今年は海外からの大物襲来も多い一年だった。高松宮記念=ビクターザウィナー(3着)を皮切りに安田記念を制したロマンチックウォリアー、マイルCS5着のチャリン、そして先日のジャパンCに挑んだオーギュストロダンやゴリアット…。勝利は1つのみだったものの、世界の強豪たちの参戦は日本のGⅠを大いに盛り上げた。〝世界に挑む立場〟から〝世界を迎え撃つ立場〟へ。2024年は、そんな未来に向けたターニングポイントの年になるのかもしれない。 そして牝馬限定となって以来、初の京都開催となる今年の阪神JFにも強力な海外馬が来日。米国から参戦するメイデイレディ(Jリー)は、海外所属馬としてはJRA2歳GⅠ初出走となる。前走の米GⅠブリーダーズCジュベナイルフィリーズターフ(デルマー競馬場、芝1600メートル)では、中団からしっかりと脚を伸ばして2着。4戦3勝2着1回の実績はもちろん、2019年以来5年ぶりのJRA騎乗となるL・デットーリの手腕も魅力だ。勝てば米国馬としては03年のジャパンCダート=フリートストリートダンサー以来のJRA・GⅠ制覇となる。 日本勢も素質馬揃いだが、中でも2歳リーディングのトップを快走するキズナ産駒が注目の的。GⅢアルテミスSでは同産駒が1~3着を独占し、ブラウンラチェット(手塚)が新馬→アルテミスSを連勝を決めた。兄は世界のダート戦線で活躍するフォーエバーヤング。舞台こそ違えど偉大な兄の背中に追いつくべく、まずは国内GⅠタイトルを手にできるか。 同2着ミストレス(矢作)は、近親に無敗の3冠馬コントレイルがいる血統馬。GⅢファンタジーS2着のモズナナスターと2頭出しで臨む矢作厩舎には、すでに制している朝日杯FS、ホープフルSと合わせて「JRA2歳GⅠ完全制覇」の偉業がかかる。 ランフォーヴァウ(福永)はGⅡデイリー杯2歳Sで牡馬相手に優勝。一戦ごとに競馬運びが安定してきており、2戦2勝と実績ある舞台で信頼度は高そう。勝てば福永祐一調教師にとっての初のGⅠタイトルとなり、3勝を挙げた騎手時代とと調教師双方での阪神JF制覇となる。GⅢファンタジーS勝ち馬ダンツエランを送り出す本田調教師も、同じく騎手(00年テイエムオーシャン)&調教師でのW制覇がかかる。ファンタジーS勝ち馬の阪神JF優勝となれば、19年のレシステンシア以来、史上4頭目となる。 前出のモズを含めて重賞銀メダル組も魅力ある面々。アルマヴェローチェ(上村)は札幌2歳Sでハナ差の惜敗を喫したが、初戦(逃げ切り)とは一転して後方からしっかりと追い上げて力を示した。コートアリシアン(伊藤大)も新潟2歳Sでは道中で行きたがる面を見せながら最速上がり半馬身差2着。折り合いはカギになろうが、GⅠで締まった流れになればよりパフォーマンスを上げてきそうだ。 新馬→特別戦連勝のクリノメイ(須貝)やビップデイジー(松下)、初の遠征競馬(萩S1着)でもしっかり結果を出したテリオスララ(田島)、マイル1分33秒6の持ち時計が光るジャルディニエ(奥村豊)なども虎視眈々と上位進出を狙う。
東スポ競馬編集部